4月23日の開催から好調が続く道営ホッカイドウ競馬。全80日開催の折り返しにあたる開催41日目のブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)当日は、4億997万6700円を売上げ、この日までの売上げ合計額は、77億9383万6000円。計画比108.2%と前年を大きく上回る勢いで伸びている。来年度には1週1400mの内回りコースが整備され、新たに1500mと1600mの競走距離を設定。電話・インターネット利用による発売網も今後更に拡大の見込みだ。北海道が策定した「北海道競馬推進プラン」のもと、将来の経営安定に向けた基盤づくりは着々と進められている。
在厩馬の特色を生かすための番組づくり
牝馬の在厩頭数が全体の6割以上を占めるホッカイドウ競馬の特色を生かすために、条件変更を行ったブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)ほか、今年から新たに2歳牝馬限定重賞「フルールカップ」を新設。エーデルワイス賞(Jpn3、10月16日)へと続く重賞体系がさらに充実した。また、昨年に続いて年間を通じた2歳馬の概定番組を発表し、より出走準備を整えやすい態勢へ。今年は4月23日開幕初日から、連日JRA認定競走を施行しており、魅力ある番組づくりへと繋がっている。
そうした魅力ある番組に応えるように、電話やインターネット等を利用した馬券発売網の拡大・充実がある。
SPAT4をはじめ、JRA『IPAT』や『即PAT』、競馬モール、オッズパークなど様々なツールを介して馬券が発売され、新たなファンの獲得に広がりを見せてきた。また、こうした取り組みを最大限に生かすべく、ホッカイドウ競馬を主催する北海道軽種馬振興公社(HRA)では、全国のスポーツ紙に馬柱を載せるなど様々なかたちで情報を提供。さらに 今年からは、専門誌の競馬ブックがコンビニのマルチコピー機を利用した新サービス(8月現在はローソンでのみ利用可能)をスタートさせた。このほかJRA馬券発売欒翁拡大や、重勝式勝馬投票券(トリプル馬単)の発売、さらには払戻率の見直しなどが、購買意欲を刺激しそうだ。
競馬場を有効活用した馬産地の活性化現状は売上げの約8割を電話・インターネット発売に依存しているホッカイドウ競馬だが、本場や道内各地の場外発売所におけるファンサービス、施設の充実にも熱心に取り組んでいる。本場の集客促進を目的として、来場回数に応じてポイントを付与するポイントカードを導入したほか、女性ファンの来場を促すため牝馬限定重賞競走の施行日に合わせて「レディースDAY」と実施。今年から牝馬限定戦に条件変更されたブリーダーズゴールドカップ当日には『シユエット・ジユマン・フェスティバル』(素敵な牝馬のお祭り)と題して、女性にスポットを当てた各種イベントが行われ、多くの女性と子どもたちが馬との触れ合いを楽しんだ。
さらなる課題も一方でJRA認定競走を勝ち上がった2歳牡馬にとっては、やや選択肢が少ないという側面も。屋内坂路が完成したことで冬場からしっかりと鍛えられる環境が整い、在厩馬のレベルは牡牝を問わず向上している。内回りコースの導入で距離設定にバリエーションが出来る来年度以降は、10年、20年先を見据えた番組づくりが求められる。(馬事通信)