2013年7月27日土曜日

名古屋競馬 有識者委が最終報告 今後実質赤字なら廃止求める

 売り上げが低迷する名古屋競馬の経営改革抜本策を検討する有識者委員会は26日、2013年度以降、実質収支が赤字になった場合は事業を廃止するよう求める最終報告書を、運営主体「愛知県競馬組合」の管理者である大村秀章知事に提出した。
 大村氏は提出を受けた後、記者団に「赤字になれば重大な決意をしなければならない。背水の陣で取り組む」と経営改革への意欲を示した。
 組合側は同日の委員会で、人件費削減などを進めた結果、今年4~6月は約1億円の黒字を達成したと報告した。 最終報告書では「09年度から4年連続で実質赤字が続いている事態は重い」とする一方で、経営改革により13年度の実質黒字化は可能と指摘。14年度以降も、払戻率の自由化などにより黒字を継続できると提言した。 競馬組合は県、名古屋市、同県豊明市で構成。競馬事業は1992年度以降、レジャーの多様化などで馬券収入が減少。12年度までに約40億円の累積赤字を抱えている。(スポニチ)

2013年7月24日水曜日

競走馬と共に41年~佐賀競馬(後)

 佐賀競馬の歴史は古い。初開催は194810月で、当初は佐賀市に競馬場があったが、72年に現在の鳥栖市江島町に移転した。佐賀県と鳥栖市が共同で運営しており、今年で移転から41周年目を迎えた。夏本番を迎え、小倉に佐賀に九州競馬は盛り上がりを見せる。新しい動きを見せ始めた佐賀競馬に迫った。
 佐賀競馬に携わって39年。佐賀県競馬組合次長の江崎保夫氏に佐賀競馬の現状とこれからについて聞いた。

 ――地方競馬の特徴を教えてください。

 地方競馬は都道府県が運営を行ないます。県が管轄する場合は、県域内での活動になり、県外での広告普及活動にはやや抵抗がありました。当初は佐賀市内にありましたが、佐賀市が都市化するにしたがって、馬の移動などトラブルが発生。そこで、移転を検討する中で、福岡都市圏に近い鳥栖への移転を決定しました。前述のように地方競馬は活動範囲が限られており、外への情報発信がしづらい状況にあります。競輪、競艇は選手が各地を転戦するので、スター選手を地方でも応援することができますが、地方競馬はそれほど馬の移動がなく、すべてその地方で完結してしまいます。
 中央競馬はどこの競馬場に行っても有名な馬に会えます。ネットの導入も中央競馬が先駆けて行ないましたし、情報の出し方が非常にうまいと思います。そういう意味では、地方競馬は県外に情報を出すのが不得手かもしれません。
 また地方競馬では、所属する馬の頭数が少ないので、レベルは中央には劣るかもしれません。しかし、地方競馬の競走馬は出走頻度が高く、毎週走る馬もいます。気に入った馬がいれば毎週競馬場で会うことも可能です。バックヤードツアーも開催しており、一般の方が厩舎を見学できるイベントも開催しています。


 ――佐賀競馬の魅力は?

 江崎 規模がそれほど大きくないので、どこにいても馬場に近く、レースを見て換金するのも、次のレースの投票に行くのにも便利なコンパクト設計になっています。お客さんは競走馬のそばまで近付けるので、馬の息遣いまで感じることができます。中央競馬では、観客席が馬場からずいぶん遠くにあり、近づくことはできません。このようにダイナミックな競走を身近に感じられるのが魅力です。

 ――ファン離れが続いているということですが、新しいファン層の開拓には?

 江崎 一番の基本は商品。商品はレースだと考えていますので、見ごたえのあるレースを数多く提供することが第一です。特に中央との交流戦を目玉にし、普段はネット投票しているお客さんに競馬場に来ていただけるように取り組んでいます。一方で施設を充実させ幅広いお客さんを呼べるようにしたいのですが、なかなか設備投資まで回らないのが現実です。理想を言えば、これだけ広い土地があるので、レジャー施設を作り、競馬だけではなく、遊べる・楽しめる場所として提供したいと考えています。

 ――8月に大きなレースがあるそうですが。

 江崎 はい。8月13日に佐賀競馬夏のビッグレース「サマーチャンピオンJpnⅢ」が開催されます。このレースは中央との交流戦で、中央から有力な馬も騎手も参戦します。夏の佐賀競馬が最も盛り上がる1日ですので、ぜひたくさんの方にご来場いただきたいと思っています。施設内外にキッズコーナーを設けています。パドックで馬を見て、スタンドからレースを見て、待ち時間にはキッズコーナーへ。家族連れも楽しめる1日になると思います。お待ちしております。(NetIB NEWS)

2013年7月23日火曜日

競走馬と共に41年~佐賀競馬(中)

 佐賀競馬の歴史は古い。初開催は194810月で、当初は佐賀市に競馬場があったが、72年に現在の鳥栖市江島町に移転した。佐賀県と鳥栖市が共同で運営しており、今年で移転から41周年目を迎えた。夏本番を迎え、小倉に佐賀に九州競馬は盛り上がりを見せる。新しい動きを見せ始めた佐賀競馬に迫った。
<売上増の工夫>
 売上減少が続くなか、2010年8月、地方競馬と中央競馬の連携が合意に至る。これにより、1211月から中央競馬のJRAインターネット投票(IPAT)で地方競馬の馬券が買えるようになり、地方競馬の売上が上昇した。その結果、13年度第一四半期(4月~6月)の売上では前年比18%増、ネット売上は前年比の実に194%となった。佐賀競馬の施設での現金売上は94%に留まったが、ネット売上が全体を押し上げた結果となった。また、中央競馬の馬券を地方競馬の場外馬券場で買えるようにし、中央と地方がWIN-WINの関係を築いている。
 さらに、今年4月から佐賀競馬の最終レースが午後6時15分に設定された。中央競馬の最終レースが午後4時20分。中央競馬で最終レースを見終えたお客さんがもう少し楽しみたいとなった場合、地方競馬の馬券を買ってくれるように工夫した。
<上がる売上、どうやって増益に結びつけるか>
 ネット投票が行なわれるようになり、全国のお客さんが佐賀競馬の馬券を買うようになる。良いことづくめのように思えるが、そこには厳しい顧客の視線がある。競馬の質も問われるようになり、必然的にそこに責任が生じる。それに応えるには、まずはレースの質を上げること。地方競馬は面白くないと言われないように、努力を続けていく必要がある。
<競馬の社会貢献>
 地方競馬の場合、地方財政への寄与として収益の一部を自治体に配分し、そこから教育、文化施設などに使われる仕組みとなっている。佐賀競馬の場合、これまで収益が思わしくなく、1998年からこの配分金の供出を行なっていない。黒字が出てはじめて、地方財政へお金が回る仕組みになっている。ただ、売上は100億円で、県内にこれだけの規模の企業は数多くない。ここで働く組合職員や厩務員、調教師、騎手、装蹄師、獣医師、食堂の店員、投票システム関連会社の従業員など、1,000名の雇用を維持しているという点で、存在意義は大きい。(NetIB NEWS)


2013年7月22日月曜日

競走馬と共に41年~佐賀競馬(前)

 佐賀競馬の歴史は古い。初開催は194810月で、当初は佐賀市に競馬場があったが、72年に現在の鳥栖市江島町に移転した。佐賀県と鳥栖市が共同で運営しており、今年で移転から41周年目を迎えた。夏本番を迎え、小倉に佐賀に九州競馬は盛り上がりを見せる。新しい動きを見せ始めた佐賀競馬に迫った。
2012年度は増収するも赤字に>
 2012年度、佐賀競馬の発売金から返還金を差し引いた売得金は前年比2.3%増の約105400万円を計上。増収の推移要因は、インターネットなどの在宅投票が大きく伸びたことにある。しかし、11年度の収支は約3,500万円の黒字だったが、12年は約8,100万円の赤字となった。来場者の減少により、競馬場や場外馬券売り場など現金での売上が減少し、ネット投票が大きく伸びたものの、ネット投票での収益率は低く、現金売上の減少分をカバーしきれなかった。
 ネット投票は、02年から開始した。地方競馬が共同で運営するシステムに参画するかたちでのスタートとなった。ただ、決済銀行が地元になく、当初はネット投票はなかなか軌道に乗らなかった。そんななか、ネットバンクが登場。ネット投票は飛躍的に伸びた。さらに佐賀競馬は土日開催のため、平日は催しがなかったが、平日に笠松や大井などほかの地方競馬の馬券を買えるようにしたことで、その手数料による増収を図った。
 しかし、こちらもネット投票ができるようになったことで、現金売上は減少。平日、土日ともに、現金売上が減少し、ネット売上が増加。ネットでの収益率は低く、増収減益となった。

<景気の悪化と趣味の多様化>
 売上の構成は、佐賀競馬の施設での現金売上が4割、ネット売上が3割、その他地方競馬場での売上が3割となっている。佐賀競馬場での現金売上では粗利約25%、ネット投票やその他施設での売上では粗利10%程度となっており、収益改善の近道は、いかに佐賀競馬場に顧客を呼び込み、現金投票してもらうかである。
 しかし、従来顧客の高齢化により、来場者は減少。肝心の若者はネット投票が中心になっており、課題は多い。これは、中央競馬、地方競馬ともに抱える共通の課題である。(NetIB NEWS)