2015年2月19日木曜日

外れ馬券購入費は「経費」 最高裁、確定へ

 競馬の外れ馬券の購入費が「経費」として認められるかが争われた脱税事件の上告審で、最高裁が経費と認める判断をする見通しとなった。二審の結論を見直す際に必要な弁論を開かず、3月10日に判決が言い渡されることが決まった。ただ、今回争われたのは「資産運用の一種」と認められるほど大量に買い続けたケースの外れ馬券の扱いで、楽しむ程度の一般の競馬ファンにはあてはまらない。
 独自の競馬予想ソフトを駆使してネットで馬券を大量購入していた大阪市の元会社員男性(41)の脱税事件。2007~09年に計約28億7千万円を賭けて得た30億円余りの払戻金を申告せず、5億7千万円を脱税したとして所得税法違反の罪に問われている。
 一、二審判決は、外れ馬券を「経費」と認めて脱税額を大幅に減らし、検察側が上告していた。最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)が、弁論を開かずに判決期日を指定したため、二審の判断が維持される見通しだ。
 男性は一審で、約1億4千万円のもうけに対し税額がその4倍に上ったため、外れ馬券の購入費(27億4千万円)を経費に含め課税対象額を減らすべきだと主張。検察は、外れ馬券の代金は経費に含まれないとした。

 一審判決は、男性のような馬券の大量購入は「娯楽の範囲を超え、営利目的の継続的な資産運用とみることができる」と判断。脱税額を約5千万円に減額し、懲役2カ月執行猶予2年の判決を言い渡した。二審もこれを支持した。(朝日新聞)

2015年2月11日水曜日

第29回全日本新人王争覇戦 優勝は井上幹太騎手(北海道)

左から笹川翼騎手(3位)、井上幹太騎手(優勝)
木之前葵騎手(2位)
211日(祝水)、デビュー後3年未満の若手騎手による騎手招待競走『第29回全日本新人王争覇戦』が行われ、第1戦、第2戦ともに2着と安定した成績を残して合計30ポイントを獲得した井上幹太騎手(北海道)が見事総合優勝を果たしました。
 なお、第2位は1戦目4着、2戦目1着で29ポイントの木之前葵騎手(愛知)、第3位は1戦目1着、2戦目4着ので同じく29ポイントを獲得した笹川翼騎手(大井)でした。(規定により、同ポイントの場合は第2戦の着順上位者を優先)(NAR)


2015年2月6日金曜日

JRA史上初! 外国人騎手誕生 “ルーキー・デビュー”は3月1日

 日本の競馬が大きく変わる。2015年度のJRA新規騎手免許試験の合格者が5日に発表され、2度目の受験となったミルコ・デムーロ(36)=イタリア、初受験したクリストフ・ルメール(35)=フランス=が見事合格。史上初めて、JRA所属の外国人ジョッキーが誕生した。“ルーキー・デビュー”は3月1日(中山・阪神・小倉開催)となる。
  外国人騎手の受験が可能になった昨年も受け涙を飲んだデムーロにとっては、まさに念願。1月27日の2次試験の際には「15年前に日本に来たときから日本の騎手になるのが僕の夢」と話していた。03年に外国人騎手として初めて日本ダービー(ネオユニヴァース)を制したパイオニア。現在は香港で騎乗している。
  ルメールはディープインパクトをハーツクライで破った05年有馬記念が有名。昨秋の落馬事故によるケガにより休養中だが、「十分にトレーニングしているし、3月から乗れます」という。
  これまで外国人騎手は3カ間の短期免許で騎乗していたが、JRA所属となれば通年で活躍できる。ダービー、ジャパンCを頂点とした春・秋のハイシーズンも存分に騎乗できることになり、ジョッキーの勢力図も大きく変わってくる。中央競馬は新時代に突入した。

 ■ミルコ・デムーロ1979年1月11日生まれの36歳。イタリア出身。94年に伊で騎手免許を取得し、97年から4年連続リーディング。99年に初来日し、ネオユニヴァースの03年皐月賞でJRA・GI初制覇、ダービーも勝った。昨年1月から香港拠点。JRA通算は重賞31勝(うちGI10勝)を含む354勝(5日現在)。弟は短期免許で騎乗中のクリスチャン・デムーロ(22)。


 ■クリストフ・ルメール1979年5月20日生まれの35歳。フランス出身。99年に仏で騎手免許を取得し、02年に初来日。JRA重賞初Vはハーツクライの05年有馬記念。昨年11月24日の京都競馬で落馬し右脛骨など複数箇所を骨折、現在はリハビリ中。JRA通算は重賞18勝(うちGI5勝)を含む245勝(5日現在)。(夕刊フジ)

2015年2月5日木曜日

角居師が「ホースセラピーねっと」開設

 角居調教師が設立した一般財団法人の「ホースコミュニティ」が5日、業界初のポータルサイト「ホースセラピーねっと」(http://horse-therapy-net.jp/)を開設する。

 コンセプトは「馬と人のコミュニティ」。“人の福祉”となるホースセラピー実施施設情報、ホースセラピーの効用、実施動画、論文・実証データ蓄積などに加え、“馬の福祉”となる引退競走馬の流通管理、養老牧場情報などのコンテンツがある。

 ホースコミュニティの山本高之事務局長は「どこで、どうやって受けられるかなどの情報が不足していると思うので、認知を広めたいと思っています。興味を持ってもらえるように、いろんな情報を提供していきたいです」と話した。コンテンツを徐々に増やし、充実させていく予定だ。(報知新聞)

2015年2月1日日曜日

川崎競馬が累積赤字を解消

 川崎競馬を運営する一部事務組合、神奈川県川崎競馬組合(黒川雅夫管理者)の15年1月定例会で、13年度の同競馬組合一般会計歳入歳出決算が承認。これによって、同競馬が長年抱えていた累積赤字が解消されることとなった。
南関東4競馬場のひとつ川崎競馬場は、横浜市にあった戸塚競馬場をその前身として1949年に開設。翌50年から競馬の開催が行われるようになった。
 戦後の高度経済成長の波にのって順調に売上げを伸ばし、ハイセイコーブームが真っただ中の74年には年間売上げ578億円、年間入場者240万人を記録し、オグリキャップ、ロジータが活躍した89年には596億円を。さらに翌90年には664億円と過去最高の売上げを記録する。しかし、バブル経済の崩壊などによる経済不況で再び売上げが減少。経営の健全化を目標に2000年4月、神奈川県と川崎市を構成団体として、一部事務組合である「神奈川県川崎競馬組合」が設立して、経営改善に取り組んできた。結果、05年以降5年連続で単年度黒字を計上。2013年には8600万円の黒字を計上し、最大36億2000万円余りにまで膨らんだ累積赤字を解消した。

 同競馬組合では「川崎競馬を愛し続けていただいたフアンのみなさまはじめ、すべての関係者の方々にご支援いただいた結果。心から感謝申し上げます。今後、さらなる発展に向けて全力で取り組んでまいります」とコメントを発表している。(馬事通信)

2014年12月31日水曜日

道営・干葉津代士厩舎の厩務員 黒川智責さんが調教師試験合格

調教師試験に合格した黒川智貴さん
 1216日、地方競馬全国協会より平成26年度第3回調教師・騎手免許試験の合格発表があり、ホツカイドウ競馬から黒川智貴さんが調教師試験に合格した。
 黒川智貴さんは1972年生まれの42歳で北海道旭川市出身。幼少期は騎手を目指していたが、身長が伸びすぎたことで断念し、大学卒業後、父である黒川武調教師のもとで厩務員となった。6年前からは同門の千葉津代士厩舎で汗を流し、北海道厩務員会の会長を約10年間務めている。試験にあたっては睡眠時問を削って勉強したといい、その結果が見事に実を結んだ。

 現在は開業に向けての準備にとりかかり入厩馬集めの営業とスタッフ募集に努めている。喜びに浸る間もなく奔走している黒川さんは、「試験結果が出るまで不安でしたが、合格できてうれしいです。『信頼問係を大事にした厩舎づくり』をテーマに、かつて父の厩舎に所属していたコトノアサブキのような、全国の重賞を狙える馬をつくっていきたい」と、意気込んでいる。(ギャロップ)

岩手競馬、売り上げ好走 3年連続で前年超す

 岩手競馬の今年の馬券売上額が250億円を突破し、震災翌年から3年連続で前年を上回った。30日に水沢競馬場であったレースの売り上げも、前年同日を14%上回る約1億6千万円。震災からの復興やインターネット販売の好調が押し上げた。
 「よしよし、そのまま、そのままっ」「差せ、差してくれっ」。12月下旬に訪れた水沢競馬場のスタンドからは、大きな声援が飛んだ。常連に帰省客が加わる年末は、家族連れや若者の姿が目についた。
 家族と親戚の5人で訪れた花巻市の藤村隼人さん(25)は、毎年この時期になると足を運ぶという。妻の穂奈美さん(25)は「生のレースを見られるし、子供が楽しんでくれるので家族でも来やすい」と話す。娘の実梨菜ちゃん(2)は「おうまさん、かわいかった」と話していた。
 友人と2人で来ていた奥州市の小野寺正弥さん(20)にとって、ここは小さい頃に父親と来たなじみの場所。「今では大きなレースがあれば、盛岡競馬場にも行きます。競馬は身近な娯楽ですね」
 2011年。人気低迷が続いていた岩手競馬の売り上げは、震災の影響でピーク時の3割に満たない約146億円まで落ち込んだ。
 被災した競馬場や場外発売所(テレトラック)は、地方競馬全国協会や日本中央競馬会(JRA)などの支援で復旧が進み、震災から2カ月後に盛岡競馬場で、年末には水沢競馬場でレースが再開した。
 翌12年は前年から開催日を15日増やし、売上額は約172億円まで回復。13年はさらに8日増やして、売上額は約216億円に達した。
 12年10月に地方競馬で利用が始まった「IPAT(アイパット)」も売り上げを押しあげた。JRAが02年に導入した携帯電話やパソコンから馬券が買えるシステムで、利用会員は全国で306万人(今年10月現在)に上る。13年度は売上額全体の約10%をIPATが占めた。
 今年10月には、津波で被災し再建されたテレトラック釜石が営業を再開。全施設が復旧を果たした。県競馬組合設立50周年を記念して12年ぶりに盛岡で開かれた、地方競馬の祭典「JBC」の開催日(11月3日)には約29億円を売り上げ、岩手競馬の最高記録を更新。うま年の今年は明るいニュースが続いた。
 県競馬組合の経営管理部・鈴木忠(まこと)参事は「存続するのも厳しいという状況から、安定的な運営になりつつある。これを継続していきたい」と話す。組合は、今年度利益を6億500万円と見込んでいる。
 水沢競馬場は大みそかもレースを開催し、新年は2日から始まる。(朝日新聞)
【写真】寒空の下、多くの来場者がスタンドで馬に声援を送った=水沢競馬場