財政難で存続の危機に立つ笠松競馬は2日、2011年度の当初予算を発表した。総額115億円で、前年度当初予算と比べて1割減った。売り上げを増加させる見通しが立たないなか、レースの賞金と手当の15%削減を継続するほか、場外馬券売り場「シアター恵那」の売却も検討するなど苦しいやりくりが続く。
歳入は、馬券収入で106億円(前年度当初予算比11%減)を計上した。新年度は、新たにCS放送「スカパー」での中継によるネット販売増や南関東競馬場での場外発売の拡大などに取り組んで4億円を上積みするが、馬券の販売額が減少傾向にあることを見据えた。
歳出は、レースの賞金と手当を15%減らし、1億6千万円を削る。昨年12月から実施しているもので、収支が好転すれば見直すという。シアター恵那の不動産を評価するための鑑定費用135万円も盛り込んだ。場外馬券売り場の機能を維持することを前提に、売却を検討するという。
笠松競馬を運営する県地方競馬組合の管理者、広江正明・笠松町長は「認められた予算内で売り上げを伸ばして、存続できるよう頑張りたい」と述べた。(朝日新聞)