福山競馬のモナクカバキチ(アラブ牡13=荻田恭正厩舎)が14日、福山1R(サラ系C2C3)で地方競馬平地最多勝記録となる55勝目を挙げた(215戦目)。記録はNAR設立で馬登録が統一化された62年以降のもの。道中は3番手のインを進み、直線で粘り込みを図る5歳馬アイディンミラクルを首差、差し切った。福山のトップジョッキー、岡崎準は「いいスタートが切れた。4コーナーを迎えても手応えが良かったし頑張ってくれた。このレースに騎乗できて良かった」と語った。
カバキチは01年に福山でデビューし、佐賀→福山→金沢→福山→名古屋→荒尾と移籍。08年秋からは古巣の福山で走り続けてきた。昨年7月24日のサラ系C3でエスケープハッチ(高知、08年引退)に並ぶ54勝目。C2昇級後は同10月まで8連敗し3カ月半休養。今年13戦目で新記録を達成した。アラブ重賞は3勝(02、04、05年)。13歳は中央ではタニノギムレット、シンボリクリスエスと同期。人間で50代に当たる“中年ホース”の快挙だ。
なお、ばんえい最多勝はトーオクオーの104勝。NARによれば参考記録としてフクパーク(アラブ)が地方52勝、中央10勝(中央名キノピヨ、うち5勝は障害)で計62勝を挙げている。
▽モナクカバキチ 父ホマレブルシヨワ 母フジミネエリカ(母の父アリラバツト)アラブ牡13歳 福山・荻田恭正厩舎所属 馬主・綾目康治氏 生産者・北海道浦河町の横山浩司氏 戦績215戦55勝 総獲得賞金5186万5000円。
▽福山競馬場 49年開設。67年以降はアングロアラブ(サラブレッドとの混血種でアラブ血量25%以上の馬)によるレースだけを開催してきたが、05年からサラブレッドのレースを併催。09年には全国で唯一続けてきたアラブ競走を廃止した。現在はサラブレッドとアングロアラブの混合競走が行われている。1周1000メートル、右回り。福山駅からバスで10分。(スポニチ)