(名古屋市港区)は3日、2012年度決算で4700万円の実質赤字になると、愛知県競馬組合議会の臨時会で明らかにした。単年度の実質赤字は09年度から4年連続で、累積赤字は約40億円にのぼる。県などが設置した経営改革委員会は「13年度の実質黒字化」を存続の最低条件としており、管理者の大村秀章知事は議会で「税金で維持するのは筋ではない。赤字がひろがるのなら、ある時点で見切りをつけるのは選択肢の一つ」と廃止可能性に言及した。
12年度の馬券売り上げは前年度比3%増の約151億3000万円。電話・インターネットでの売り上げが同29.3%増の約57億5300万円と大きく伸びたが、業者への手数料(11〜16%)支払いで収益率が低下した。実質赤字だが、経営再建用の基金約4800万円を充当し、決算上は約100万円の黒字にした。
県競馬組合は14年度に払戻率を下げるなどの方法で黒字化する計画だった。だが経営改革委員会が4月、13年度の実質黒字化が必要と表明したため、13年度の黒字化が急務となっている。
同競馬は13年度、中央競馬の馬券販売を開始するなど増収策を打ち出しているが、県競馬組合は「さらに経費削減などを進め、実質黒字化を達成したい」としている。