2012年6月30日土曜日

地方競馬:歴代最多勝お預け 福山の13歳モナクカバキチ


 地方競馬(平地レース)で歴代最多タイの54勝(214走)を挙げている広島県福山市営競馬のモナクカバキチ(オス13歳、アラブ系)が30日、記録更新を目指して出走したが、2着に終わった。同競馬の現役最高齢で、人間であれば50代のベテラン。調教担当者は「年々加速力が落ちていて今夏が最後のチャンス」とみる。暑さに強く、夏になると調子が上がる「中年の星」に、ファンの期待が集まっている。
 カバキチは30日の第2レースで単勝1番人気で出走。スタートが乱れて出遅れたものの、外側からじわじわ追い上げた。終盤の直線で上位を抜き去ったが、1着には追いつけず2馬身差で惜敗。2着は3戦連続で、20連敗となった。毎回応援に来る同市神辺町の主婦、安福教子さん(42)は「最後の追い込みは格好よかった。記録が出るまで応援する」とエールを送った。(毎日新聞)

笠松競馬 15年度にも財源不足

 厳しい経営が続く笠松競馬(笠松町)を維持するため、2015年度にも約5000万円の新たな財源が必要になることが、29日わかった。県議会6月定例会の一般質問で、古田肇知事が明らかにした。地方競馬支援のため、競馬法が改正されたが、古田知事は「今後も綱渡りの経営が続く」と話している。
 笠松競馬は、名馬「オグリキャップ」を生んだことで知られるが、売り上げは1991年度の399億円をピークに減少し、昨年度は109億円にまで落ち込んだ。今年度も、5月末までの売り上げが18億5900万円(昨年度同期比21%減)と厳しい状況にある。
経営難のため猶予されていた地方競馬全国協会への交付金も、来年度から年3200万円を10年間支払う必要があり、場外馬券売り場「シアター恵那」(恵那市)建設時の起債の償還分を合わせると年約1億円の負担になるという。11年度末の残高が2億7200万円ある基金も14年度中に底をつき、15年度から財源不足に陥るという。
競馬法改正で、地方競馬の払戻率は、一律約75%から、70%を下限に主催者の意向をふまえて設定できることになった。県笠松競馬支援室によると、1%の引き下げで約1億円の財源が確保できる見込みで、古田知事は「引き下げを早急かつ有効に活用し、経営改善に努めたい」と述べた。(読売新聞)

2012年6月22日金曜日

笠松競馬、法改正で収入増の好機


 20日に成立した改正競馬法では、払戻率の引き下げが競馬場の裁量で可能になり、厳しい経営が続く笠松競馬(笠松町)の収入増につながる可能性がある。しかし安易な引き下げは、ファン離れのきっかけにもなりかねない。

 現行の馬券払戻率は、勝ち馬への投票金額などをもとに計算式で出され、ほぼ75%前後。改正法では70~80%を目安に、単勝や3連単など投票方法ごとに、各競馬場が決めることができる。
 笠松競馬の二〇一一年度の売り上げは百九億円。単純に払戻率を1%引き下げれば、約一億円の収入増の計算になる。県は、債務超過になれば廃止にする方針で、一一年度にぎりぎりで黒字を達成した笠松競馬にとって、法改正は存続への後押しとなる。
 笠松競馬を運営する県地方競馬組合管理者の広江正明・笠松町長は「存続に向けた基盤が整ったことに感謝したい」と歓迎する。
 しかし、払戻率の引き下げはギャンブルの魅力低下につながる。オートレースは今月から払戻率を5%引き下げる一方、競輪と競艇は様子見。笠松競馬は今後、ほかの競馬場と情報交換をしながら、ほかのギャンブルと比べて見劣りしないように払戻率を決めていく難しい作業に入る。
 ファンに近い立場の笠松競馬予想師、一岡浩司さん(50)は「ほかのギャンブル、競馬場と差がつけば客がそちらに流れる。ファンが喜ぶわけがない」と批判する。
 消費増税が決まれば数千万円の経費増にもなり、今後も厳しい経営が続くことは変わらなさそうだ。広江町長は「払戻率の変更と合わせて、競馬の魅力向上策も考えたい。存続のため、ファンに理解してもらえるよう努めたい」と話した。(中日新聞)

2012年6月16日土曜日

園田競馬:ナイター9月7日開始、県組合が方針 反対住民ら改善要求


尼崎市の園田競馬場で計画されているナイター競馬について、県競馬組合は15日、地元自治会の代表者と話し合う「周辺改善委員会」を開催し、9月7日から実施する方針を明らかにした。
同組合によると、相互開催する姫路競馬場でレースが行われる7、8月に工事を実施。高さ15メートルの照明柱をレース場などに40カ所設置し、パドックなどにも照明器具を整備する。
ナイター開催を巡っては現在も周辺12地区のうち3地区が治安悪化などを理由に反対している。この日の委員会では、周辺14の公園に防犯カメラを設置したり、街灯を増やすなどの具体的な対策を説明し、理解を求めた。
反対地区の代表者は「今も納得していないのに2月の予算決定後は、何の話し合いもない」と改めてナイター導入に反対を表明。また、防犯カメラの設置について「地元で電気代など管理費を負担するのはおかしい」などの意見があり、同組合に改善を求めた。
ナイター競馬は11月9日までの毎週金曜に開催。午後2〜9時に平均11レースを行う予定。冬期は実施しない。(毎日新聞)

2012年6月15日金曜日

消えゆくアラブ馬 競馬界、40年で6頭に


アラブ馬 消えゆく運命
競馬界 40年で1万頭 6頭
日本の競馬を支えてきたアラブ馬=キーワード=が姿を消しつつある。40年ほど前は1万頭を超えていたが、時代はサラブレッド全盛に。現役は地方競馬のわずか6頭だ。
馬の血統登録を扱う公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルによると、戦後間もなくは、サラブレッドが足りず、観客の期待に応えられるレース編成が出来なかった。そんな中、アラブ馬は重宝な存在だった。サラブレッドと違い、気性は穏やかで丈夫、粗食にも耐えて扱いやすい。血筋から能力が読みやすく、生産農家や馬主も手堅い経営ができたという。地方競馬に詳しく、アラブ馬主でもある札幌国際大学の大月隆寛教授(民俗学)は「アラブで稼いでサラブレッドで勝負をかける生産農家は多かった」。中央では1950年代に出走馬の3割程度、地方での登録数は70年代前半までサラブレッドを上回る1万2千頭前後に上った。
しかし、人気はスピードに勝り華やかさがあるサラブレッドに集まり、95年には日本中央競馬会(JRA)がアラブ馬単独のレースを廃止。地方競馬も追随した。国内のアラブ馬単独のレースは09年9月27日の福山競馬(広島県福山市)が最後だ。
いまも残る現役はホッカイドウ競馬(北海道)の1頭と福山競馬の5頭。アラブの競走馬の生産は止まっていて、競馬界から姿を消すのは時間の問題だ。
馬産地・北海道では、最後のアラブ馬が約840頭のサラブレッドに闘いを挑み続けている。栗毛の7歳馬「ザラストアラビアン」だ。今月6日夜、門別競馬場(日高町)の最終レースでは、13頭中、最下位。伊藤千尋騎手(26)は「最後は息切れしてしまった」と残念がった。
05年に北海道門別町(現・日高町)で生まれ、当時はアラブ馬が主流だった福山でデビューした。これまで61戦15勝。3年前の国内最後のアラブ馬単独レースは、最後の直線で猛烈に追い上げて接戦を制した。その後、サラブレッドとの混成レースで2勝したが、ここ2年は脚を痛め、勝利から遠のいている。
馬主の鳳山(とりやま)信年さん(46)=広島市=は「衰退する一途のアラブ馬の中で最強になってほしい」と願い、ザ・ラスト(最後の)アラビアンと名付けた。「アラブ馬の全盛期を知る古くからの競馬ファンは懐かしんで応援してくれる。一日でも長く走り、ファンの記憶に残ってほしい」(朝日新聞)

キーワード
《アラブ馬》

アラビア半島が原産。純血馬とサラブレッドとの交配で、アラブの血が25%以上が競馬に向く「アングロアラブ」とされ、競馬でアラブ馬と言えば、この種を指す。国内では少なくとも1920年代から血統登録の記録がある。
一方、17世紀ごろから、競走馬としての品種改良を重ねてきたのがサラブレッド。世界各国のサラブレッドは父系の血統をさかのぼると3頭に絞られる。

2012年6月14日木曜日

レース用ズボンに広告/福山競馬


 スポンサー収入で競馬を盛り上げよう――。福山市営競馬の騎手らで作る県調騎会騎手部会は、レース時にはくズボンに企業広告を入れることを決めた。第1号の広告主の名を入れたズボン5本が完成し、池田敏樹騎手らが16日のレースから着用する。
 同部会によると、ズボンの左右両面の縦14センチ、横35センチの範囲に、企業名やロゴ、商品名などを入れる。色や文字の形などは自由に選べる。「掲載」は、1回の申し込みにつき20日間。土日開催のため、期間は2カ月あまりになる。50レースでの着用を保証する。
 広告料は、ズボン代や印刷代も含め1本2万1千円。複数の騎手が履くうえ、消耗にも備えるため、最低5本は作る必要があるという。雨天の場合、ズボンが傷みやすいので履くのを控えることもある。
契約第1号は市内のラーメン店「丸源ラーメン福山神辺店」。広告の収益は、同調騎会が開くファンサービスなどのイベント費用として活用する。池田騎手は「お客さんが増えるのにつながればうれしい」と話す。
 同様の試みは、一昨年8月に兵庫県騎手会が始めた。累計で37社が利用し、昨年度は約80万円の収入があったという。(net-keiba.com)

2012年6月7日木曜日

昨年度 福山競馬4年ぶり黒字


 福山市は5日、市議会競馬事業特別委員会で、福山競馬の2011年度の収支が約1億4000万円の黒字となったと報告した。実質単年度収支では07年度以来、4年ぶりの収益超過で、1999年度以降、約20億円に膨らんだ累積赤字額(繰上充用金)は18億6900万円となる見込み。ただ、2012年度は、一層の経費削減などが難しく、市は「極めて厳しい環境」との見通しを示した。
 市によると、11年度前半は、東日本大震災で東北や関東の競馬場が開催できなかった影響などで黒字を確保。第3四半期(10~12月)は赤字で、第4四半期(1~3月)は、本場では入場者数や売上高が減少したものの、インターネット投票が好調だったことなどで、8250万円の黒字とした。
 ただ、全体では、本場の売上高、入場者数とも、震災の影響が大きかった11年度当初以外は、前年度を下回った。今年度も、5月20日までの12日間で、1日当たり売上高が対前年度比で20・6%減の8100万円、入場者数が同3・2%減の1639人と厳しい状況が続いている。
 市は振興策として、3つの重賞レースを増やすことや、老朽化している自動発券機約30台を更新するなど、サービスの充実を図る。(読売新聞)

2012年6月5日火曜日

名古屋競馬、基金取り崩し


●昨年度7500万円 単年度黒字化へ

名古屋競馬を運営する愛知県競馬組合(管理者=大村秀章知事)は4日、組合議会の6月臨時会で、昨年度の決算見通しを公表した。単年度収支は189万円と2年ぶりに黒字に転じる見通しだが、売り上げ減などを賄うため、基金から7500万円を取り崩している。
競馬組合によると、名古屋競馬の昨年度の馬券売り上げは146億9200万円で前年度比約8・5%減。大村知事は昨年12月、組合議会に「単年度黒字化は難しい」と説明していたが、基金を取り崩すことで黒字に転じる見通し。
名古屋競馬は約40億円の累積赤字を抱えており、4月に設置された有識者による経営改革委員会で存廃も含めた議論が続いている。改革委では、存続の条件として、「単年度収支の黒字化」の意見が上がっていた。今回の基金取り崩しについては、改革委や組合議会でも議論の焦点となる可能性が高い。
また、この日の臨時会では、昨年12月の議会で可決した議員報酬の半減条例の期間が5月末で切れたため、7月から現議員の任期が終わる来年5月末まで継続することも決めた。(朝日新聞)