厳しい経営が続く笠松競馬(笠松町)を維持するため、2015年度にも約5000万円の新たな財源が必要になることが、29日わかった。県議会6月定例会の一般質問で、古田肇知事が明らかにした。地方競馬支援のため、競馬法が改正されたが、古田知事は「今後も綱渡りの経営が続く」と話している。
笠松競馬は、名馬「オグリキャップ」を生んだことで知られるが、売り上げは1991年度の399億円をピークに減少し、昨年度は109億円にまで落ち込んだ。今年度も、5月末までの売り上げが18億5900万円(昨年度同期比21%減)と厳しい状況にある。
経営難のため猶予されていた地方競馬全国協会への交付金も、来年度から年3200万円を10年間支払う必要があり、場外馬券売り場「シアター恵那」(恵那市)建設時の起債の償還分を合わせると年約1億円の負担になるという。11年度末の残高が2億7200万円ある基金も14年度中に底をつき、15年度から財源不足に陥るという。
競馬法改正で、地方競馬の払戻率は、一律約75%から、70%を下限に主催者の意向をふまえて設定できることになった。県笠松競馬支援室によると、1%の引き下げで約1億円の財源が確保できる見込みで、古田知事は「引き下げを早急かつ有効に活用し、経営改善に努めたい」と述べた。(読売新聞)