福山市は5日、市議会競馬事業特別委員会で、福山競馬の2011年度の収支が約1億4000万円の黒字となったと報告した。実質単年度収支では07年度以来、4年ぶりの収益超過で、1999年度以降、約20億円に膨らんだ累積赤字額(繰上充用金)は18億6900万円となる見込み。ただ、2012年度は、一層の経費削減などが難しく、市は「極めて厳しい環境」との見通しを示した。
市によると、11年度前半は、東日本大震災で東北や関東の競馬場が開催できなかった影響などで黒字を確保。第3四半期(10~12月)は赤字で、第4四半期(1~3月)は、本場では入場者数や売上高が減少したものの、インターネット投票が好調だったことなどで、8250万円の黒字とした。
ただ、全体では、本場の売上高、入場者数とも、震災の影響が大きかった11年度当初以外は、前年度を下回った。今年度も、5月20日までの12日間で、1日当たり売上高が対前年度比で20・6%減の8100万円、入場者数が同3・2%減の1639人と厳しい状況が続いている。
市は振興策として、3つの重賞レースを増やすことや、老朽化している自動発券機約30台を更新するなど、サービスの充実を図る。(読売新聞)