レース中の落馬事故で左目を失明した宮川実騎手(28)が30日、復帰4戦目となった高知競馬第4Rで勝利を挙げた。29日、約1年1カ月ぶりにレース復帰したばかり。09年4月26日以来、399日ぶりの復活Vとなった。
宮川騎手は左目失明のハンディを感じさせず、4コーナー手前でマルタカデピュティとともに先頭にたった。拍手の渦の中、後続の追撃を1馬身半おさえ、待ちに待った歓喜のゴールを駆け抜けた。「事故をしてから、本当にみんなから支えられていることを実感している。こんなに早く勝たせてもらったことに感謝してます」と話した。
「一番心配してくれた」(宮川騎手)という、同じ高知競馬騎手の兄浩一は、弟の復活初勝利に「口では言えない苦労を経験してたから」と号泣した。この勝利は今後に向けての第1歩。宮川騎手は「これから先、迷惑をかけることもあるけれど冷静さを失わず、乗るからにはトップを目指したい」と力強く言い切った。(日刊スポーツ)