戦後の地方競馬を支えたアラブ馬の競走馬が激減し、現役は福山競馬(福山市)の3頭と、ホッカイドウ競馬(北海道)の1頭になった。ピーク時は1万頭を超えたが、スピードで勝るサラブレッド馬の台頭で既に生産は中止。人間なら約50歳に当たる「中年の星」として人気だった福山競馬のモナクカバキチ(牡、13歳)も今月引退し、姿を消す日は避けられそうにない。
日本競馬のアラブ馬はアラビア半島原産の乗用馬とサラブレッド馬の交配種のアングロ・アラブ。サラブレッド馬に比べ一般的に穏やかで丈夫とされる。度重なる出走に耐えて値段も安かったため、財源確保のため戦後各地で開設された地方競馬の主力になった。
地方競馬全国協会によると、地方競馬のアラブ馬の登録頭数は1971年、1万3246頭に達した。しかし経済成長とともにサラブレッド馬の登録が増え、人気もシフト。95年には日本中央競馬会(JRA)がアラブ馬単独レースを廃止し、各地の地方競馬も続いた。アラブ馬の生産頭数は2007年、ゼロになった。(中国新聞)