最終日の入場者数は1万273人(事務局発表)で前日23日(約4千人)の倍以上。幼い子を連れた家族連れも目立ち、馬場を背景に記念撮影するグループの姿も。生後10カ月の凌(りょう)甫(すけ)ちゃんを抱いて両親と訪れた前田徳子さん(26)は「このにぎわいがあればつぶれずに済んだのに」。初めて訪れたという市内の会社員、大元浩光さん(39)は「福山競馬という文化がなくなるのは悲しい」と残念そうに話した。
同競馬場は戦災復興費を捻出するため昭和24年に開設。アラブ系の馬専門の競馬場として人気を集め、馬券売上額は平成3年のピーク時に約345億円に。収益金総額は市の一般会計に繰り入れられ、道路整備や校舎建設などに充てられるなど貢献度は高かった。
だがレジャーの多様化に伴い収益は悪化。昨年度の累積赤字は18億6900万円に膨らみ、昨年11月、市は3月末で廃止することを決めた。
最終レースはファン投票で選ばれた4歳以上の馬が出走する「ファイナルグランプリ」。スタンドは最後の歓声に湧き、ラストランを走った騎手それぞれに「お疲れさまぁ!頑張って!」との声が響いた。(産経ニュース)