2009年3月31日火曜日

高知競馬:ナイター開催へ 経営打開の「切り札」--6月にも開始

◇ネット購入増加に期待
 県競馬組合は30日開かれた組合議会で、高知競馬(高知市長浜)にナイター設備を新設する方針を明らかにした。09年度当初予算案に整備費約1億7600万円を計上し、可決された。ナイター競馬は全国でも少ないといい、厳しい経営状態を打開する「切り札」として、収入の増加を図りたい考えだ。

 同組合によると、現在20基ある照明を計38基に増やし、早くて今年6月にも開始。09年度は自場開催96日のうち、金、土曜日の42日をナイターにする計画で、時間帯は午後3時半~同9時ごろを予定している。

 全国でナイターを開催しているのは大井(東京都)、川崎(神奈川県)のみで、5月からは門別(北海道)も加わる。同組合は会社帰りの競馬ファン獲得に加え、インターネット投票でも日中の開催より他場のライバルが減るため、約16億円の増収効果を見込んでいる。特に11月下旬~3月中旬は、他場でナイターの開催がないため、同組合は「有利な条件での開催が可能」とみている。

 ナイター設置費用は、同組合の財政調整基金と地方競馬全国協会からの補助金で折半し、県や高知市の負担はないという。しかし、運営状況の厳しさは変わらず、財調基金の残額は約180万円でほぼ使い切る形となる。08年度でも財源対策費約2億5000万円を構えたが、年度末には約2000万円が残るだけで、収入の増加が最大の課題に挙がっている。

 同組合は「最後の切り札としてのナイター開催を大いにPRし、ネット購入の増加などにつなげていきたい」。尾崎正直知事も30日の会見で「根強いファンでも賭ける額が少なくなっているのが現状。経費削減とニッチ(すき間)を狙った分野への進出で、チャンスを生かしていきたい」と述べた。(毎日新聞)