2009年6月1日月曜日

荒尾競馬の存廃協議、検討委が初会合 9月提言へ

 多額の累積赤字を抱える荒尾競馬を巡り、荒尾市は、有識者らで作る「荒尾競馬のあり方検討会」を設置し、初会合を開いた。存廃を含めた今後の方向性について、8月までに計4回協議し、9月中に提言書を市に提出する。
 検討会は、学識経験者や地元経済団体、公認会計士ら7人で構成。初会合では、委員や市幹部が、レース開催中の競馬場を視察した後、前畑淳治市長が委嘱状を交付。熊本学園大の荒井勝彦教授が会長に選出された。
 市側から、累積赤字が2007年度末で12億7000万円に上る一方で、人件費削減などの経営健全化策を進めた結果、単年度の赤字幅をこれまでの1億円以上から4400万円に圧縮したとの説明があった。委員からは、地域経済への影響などに関する意見も出ていた。
 市によると、荒尾競馬は1928年開設。90年代後半のピーク時には、年間50万人を超える入場者があり、事業収入も年間約150億円に上り、市や県の一般会計に総額91億円を繰り入れてきたという。
 ところが、炭鉱閉山に伴う地域経済の悪化などから、98年度から単年度収支が赤字に転落、07年度は入場者数約13万人、事業収入は約57億円まで落ち込み、運営資金を市から借り入れるなどし、市財政を圧迫する一因となっている。
 市は07年度からの経営健全化策で、09年度中の黒字達成を目指しているという。検討会の提言を受け、市は県と協議のうえ、今年度内に存廃の判断を出す方針。(読売新聞)