岐南町の施設運営会社、イレブンナインが29日、同町上印食の店舗駐車場に競艇場外舟券売場(ボートピア)を建設する計画について、地元自治会に資料を回覧した。競艇場外舟券売場は国土交通省の許可で建設できるが、許可には地元の首長、議会や地元自治会の同意が必要。このため、イレブン社は来月5日には、まず地元自治会の住民約100戸に対し説明会を開くという。
地元住民によると、イレブン社は、昨年から地権者などを中心に話を進めていたという。計画によると、舟券販売場は、2階もしくは3階建ての延べ4500平方メートルの建物で、約1万4000平方メートルの駐車場も隣接させる。1日1900人の来場者と、年間100億円の売り上げを見込んでいる。売り上げの1%は、環境整備費として岐南町に交付するという。
地元の上印食南自治会の中里耕治会長は「舟券売り場が治安に与える影響は未知数だ。説明会後に住民とじっくり話し合いたい」と話している。岐南町は「町には、まだ話が来ていないので分からない」としている。
舟券売り場の建設予定地は、笠松町の笠松競馬場、岐阜市の岐阜競輪場にいずれも約2・5キロの距離にあるため、苦しい経営が続く県内の他の公営事業の経営に影響を与える可能性もある。
イレブン社の業務を支援している岐阜市の建設会社、デミスは「競馬や競輪とはファン層が違うので、集客などにお互いに影響を与えることはない」と説明している。これに対し、笠松町の広江正明町長は「笠松競馬に影響がないとは言い切れず、危惧(きぐ)している。岐南町は笠松競馬を運営する県地方競馬組合の構成団体。実際に建設するには、競馬関係者への説明が必要だ」と語った。(毎日新聞)