2009年5月23日土曜日

唯一のアラブ、元気です 金沢競馬、10歳のグリーンジャンボ


 金沢競馬で唯一のアラブ系競走馬「グリーンジャンボ」(十歳・牡)が今年も元気な走りを見せ、ファンを喜ばせている。グリーンジャンボの奥十一調教師(61)によると、競走馬の十歳は人間の六十代に相当するが、グリーンジャンボは四月のC級・リゲル特別を制し、今シーズン初勝利となる通算百二戦で十五勝目を挙げ、「アラブ健在」を印象付けている。
 金沢競馬では、多い時で全レースの半数ほどがアラブ系のレースだったというが、スピードに優れるサラブレッド系(サラ系)に主流が移り、徐々にアラブ系の競走馬が減少した。

 二〇〇三(平成十五)年、金沢競馬に移ってきたグリーンジャンボは〇四年、金沢競馬最後のアラブ限定レース北國アラブチャンピオンで優勝。ほかのアラブ系競走馬が引退したり、ほかの競馬場に移ったりする中、唯一残ったのがグリーンジャンボだった。

 〇七年には、高齢化による衰えで徐々に勝てなくなったグリーンジャンボを引退させようとする声も上がったが、奥調教師は「この馬は競馬場にいるのが一番幸せ」と当時のオーナーに掛け合い、新オーナー探しを始めた。間もなく新オーナーが見つかり、グリーンジャンボは金沢競馬で走り続けた。

 奥調教師は「離れがたい魅力のある馬。少しでも長く走らせてやりたい」と語り、暑さに弱いというグリーンジャンボの体調を気遣いながら次のレースへ準備を整えている。

 クラスを昨年までのB級からC級に落としたものの、グリーンジャンボはファンの声援を背に、今年も栄光のゴールを目指す。(富山新聞)
<写真>10歳のシーズンを迎えたグリーンジャンボと奥調教師=金沢競馬場