岩手競馬は16日、盛岡競馬場に舞台を移し、盛岡競馬が幕を開けた。2009年度の岩手競馬は累計発売額が当初計画を2.3%下回る低調な滑り出し。県競馬組合(管理者・達増知事)は、高速道自動料金収受システム(ETC)の休日特別割引もあって大型連休の客足が伸びなかった-と分析するが、景気低迷や競馬離れなどの要素が絡む。近年は開幕ダッシュに失敗してコスト削減を繰り返してきただけに、日本初の「騎手ハンデ戦」など話題を振りまく盛岡競馬で巻き返しを図る。
水沢競馬場で行われた4月4日の開幕から5月11日まで(18日間)の発売額は、29億7300万円(前年比2.2%減)。当初計画に7100円届かず、入場者数も前年より8.2%少ない24万人にとどまった。4月は当初計画を2.1%上回る「黒字スタート」を切ったが、連休中の売り上げ不振が響いた。
競馬組合の藤尾善一副管理者は「大型連休は好天が続き、ETC効果で競馬場に来る人が少なかった」と分析。一方で、4~5月の発売額が当初計画を約3億円下回り、4億3000~8000万円のコストを削減した07、08年度に比べると「今季は堅調に推移しており、リカバリーできる数字だ」とみる。
組合は盛岡競馬を機にてこ入れを図る。CM起用するタレント、ルー大柴さんを盛岡競馬場に招いたほか、騎手の実績に応じて負担重量に差をつける日本初の騎手ハンデ戦を18日から始めるなど、話題づくりに懸命だ。
増収策の柱は県外客の拡大。今季は発売額の約30%を占める広域委託、インターネット販売に力を入れる。全国スポーツ紙への馬柱(データ表)掲載や北海道競馬との交流競走、ネット企業との共同キャンペーンなどで県外客にPRし、増収を目指す。
藤尾副管理者は「広域委託とインターネットが鍵を握る。魅力あるレースを行うとともに、今まで以上に他主催者やネット事業者と連携し発売額を確保したい」と巻き返しを誓う。(岩手日報)