多額の累積赤字を抱える荒尾競馬(荒尾市)のあり方を考える検討会(会長=荒井勝彦熊本学園大教授、7人)は29日、単年度収支の黒字化を求め、2011年度までの収支状況をみた上で存廃の結論を出すべきとする提言書を前畑淳治市長に提出した。ただ、改善の見込みがない場合は、「11年度を待たずに存続を断念せざるをえないことも視野に入れるべき」との内容も盛り込んでいる。
荒尾競馬は1998年度以降、赤字が続き、2008年度末の累積赤字は13億5000万円に達している。検討会は5月、有識者らを委員に設置され、存廃を含めた今後の方向性について5回にわたって協議した。
提言書では、売り上げ増加対策として、新たなファンの獲得、平均購買額の増加、他の競馬場やインターネット上での馬券販売の拡充などを挙げた。経費節減策として、支出を収入の一定割合内に抑えることを目標にすべき、などとした。
前畑市長は「提言を重く受け止め、最大限尊重させてもらう。関係者一丸となって、再建に向け背水の陣で取り組む」と述べ、存廃を問われる状況になった場合は、「県とも十分協議して方針を決める」と話した。(読売新聞)