2009年10月30日金曜日

荒尾競馬「廃止も視野」 経営再建 単年度大幅赤字なら 検討会、市長に提言

 「荒尾競馬あり方検討会」(会長=荒井勝彦・熊本学園大教授)は29日、荒尾市の前畑淳治市長に提言書を提出した。市は2011年度まで3カ年の経営健全化計画に取り組んでいるが、提言書は今後大幅な単年度赤字が出た場合、「11年度を待たず存続を断念せざるを得ない」としている。

 同競馬は01年度以降、累積赤字が膨らみ続け、2009年3月末現在で約13億5千万円に上っている。荒尾競馬組合は人件費や業務委託料の削減などを盛り込んだ経営健全化計画を策定し、本年度の単年度黒字化を目指している。

 提言書は存廃について、基本的には「11年度までの収支状況、将来の見通しをもって判断することが妥当」と指摘。その上で、経営環境がさらに悪化した場合、前倒しでの廃止検討も「視野に入れるべきだ」とした。

 改善への重点項目としてインターネットでの馬券販売の拡充などを挙げ、売り上げ目標額を設定し、経過を公表するよう求めている。

 前畑市長は「提言書を重く受け止め、県とも協議しながら、再建に向けて背水の陣で取り組みたい」と述べた。(西日本新聞)