2010年2月2日火曜日

福山競馬 存廃など議論 検討委初会合 あり方、9月末にも答申


 約20億円の累積赤字を抱える福山市営競馬場(福山市千代田町)の事業存廃などを議論する、羽田皓市長の諮問機関「福山市営競馬検討委員会」の初会合が1日、同市役所で開かれた。市営競馬事業を巡っては、2009年度決算で単年度収支の黒字確保が困難な見通しが明らかにされるなど、厳しい状況が続いている。検討委は、現状や課題を様々な角度から分析し、今後のあり方について9月末にも羽田市長に答申する。

 羽田市長は、競馬事業を継続する条件として「単年度収支の黒字確保」を掲げているが、09年度上半期の収支が約3800万円の赤字に転落。市は存廃を含めて検討するため、専門家らによる委員会設置を12月市議会に提案し、可決された。

 検討委は、弁護士や大学教授、競馬関係者など14人で構成。初会合では冒頭、羽田市長が「60周年を迎えた市営競馬は、市の戦後復興や都市化の発展に貢献があったが、この10年は大変厳しい状況にある。雇用の場であることなども踏まえ、存廃を含めて議論していただきたい」とあいさつ。福山大の吉原龍介副学長を委員長に選出した後、委員会の運営方法などを確認した。

 続いて、市財政政策課が、景気低迷などのため、全国の地方競馬場が厳しい経営状況にあることを報告。福山市営競馬場でも、売り上げが1991年度の約345億円をピークに減少に転じ、08年度には4分の1以下の約80億円に下落。実質収支も悪化し、99年度以降、累積赤字は約20億円に膨らんだことなどを説明した。

 開原算彦副市長は1日の定例記者会見で、同競馬場の09年度の決算見込みについて、「正月競馬以降に持ち直し、上半期の赤字はやや圧縮できそうだが、(単年度の)収支の均衡は厳しい」との見通しを示した。(読売新聞)