今年は中央競馬の年間売り上げが1997年以来、15年ぶりに前年を上回った。16日の時点で約2兆2993億円で、昨年(約2兆2935億円)を突破した。昨年同時期と比べると約4.4%上回っている。最終的に東日本大震災以前の水準(10年、約2兆4275億円)にどこまで近づくかが焦点だ。
97年に4兆円をわずかに超え、ピークを迎えたが、翌98年からは14年連続で前年割れ。昨年はピーク時の57.3%に落ちた。97年は国内で金融危機が表面化した年で、その後の長期不況やレジャーの多様化の影響を受けた。昨年は東日本大震災で東日本地区の競馬開催が6週間休止される事態も重なり、決算では54年ぶりに赤字を計上した。
今年は台風接近による1日の順延以外は順調に日程を消化。年間を通じて無事に開催できたことが回復の最大の要因だった。昨年、売り上げの少ない小倉や新潟で代替された春の中山開催を通常通り開催したことが大きく、政策的に首都圏、近畿圏の開催日数を増やしたことも、増収要因となった。
一方、有馬記念の売り上げはピークの96年に約875億円を記録した後は急落。昨年は377億5975万7900円まで下がった。有力馬が出走回避した今年も厳しそう。
また、有馬記念の翌日24日にも中山、阪神開催が組まれており、同日の売り上げにも注目が集まる。有馬記念が年間最終開催日より前に行われるのは33年ぶりのことだ。(日本経済新聞)