2010年1月15日金曜日

笠松競馬の分割納付期間延長「前向きに」 赤松農水相が言及


 赤松広隆農林水産相は14日、笠松競馬を主催する県地方競馬組合が2010年度から地方競馬全国協会に分割納付する3億2000万円について、納付期間を現行の10年間から13年間に延長することを「前向きに考えたい」と述べた。視察先の羽島市内で記者会見した。

 地方競馬の主催者は毎年、売り上げの一部を同協会に納めるが、組合は05~09年度の支払いを猶予してもらっていた。分割納付するのは、この猶予分。延長には農水相の同意が必要で、認められると納付額は年740万円軽減される。

 笠松競馬は単年度で1億~2億円の黒字をやっと確保する綱渡りの経営が続いており、競馬存続には納付額の軽減が欠かせない。古田肇知事がこの日、農水相に会い、延長を認めるよう要望していた。

 赤松農水相は「雇用確保の観点からも(笠松競馬を)頑張って続けてほしい。経営にゆとりが出るならいいと思う」と述べた。

 一方、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体による土地購入をめぐる問題について、赤松農水相は「少しでも疑惑を晴らすために誰かに言われてではなく、自分の責任としてできるだけ説明し、潔白ならそれを証明していくことに尽きる」と話した。

 赤松農水相はこの日、羽島市と海津市を訪れ、園芸団地などを視察。知事や農林業関係者らと意見交換した。(中日新聞)
【写真】視察後に記者会見する赤松広隆農水相=羽島市文化センターで

地方競馬を支えて<5>厩務員候補生 大学中退し門たたく 苦労続くが変わらぬ志


 「馬のことをまったく知らない状態で来たので苦労した」

 地方競馬教養センター厩務員養成課程の湧田裕介さん(21)=浜松市出身。同センターは騎手だけでなく厩務員も養成しており、現在は同課程唯一の入所生だ。

 子どものころから動物が好きで、獣医師を目指したこともあったが、「学力や経済的な面で断念した」という。東京都内の理工系私大に進学するも、授業や実験など、目指すものとの違いを感じ2年生の途中で退学。昨年8月、同センターの門をたたいた。

 学費など約60万円はカラオケ店や飲食店などアルバイトの掛け持ちでためた。「両親に相談せず大学を辞めたので、かなり反対された。特にサラリーマンの父はなかなか許してくれなかった」と苦笑する。

 厩務員課程は8月から1月までの半年間。騎手候補生同様、早朝の厩舎作業に始まり、騎乗訓練や競馬に関する法規、馬の健康状態などの授業を受ける。

 入所前まで乗馬経験はおろか、馬に触ったこともなかった。「苦労の連続。馬は日によって全然違う。思い通りに動いてくれたり、言うことをきかなかったり…」

 夢は地方競馬最大規模を誇る大井競馬(東京都)の厩務員。昨年11月に見学に行き、あこがれが一層強くなった。しかし厩務員の枠は決して多くはなく、中でも大井は中央競馬に次ぐ狭き門。指導教官からは卒業後、競走馬の育成牧場で経験を積んでからの就職も勧められている。

 馬とともに過ごす日々の中、厩務員の楽しい部分、厳しい部分とも見えてきた。それでも志が揺らぐことはないという。「最近、ようやく馬が懐いてくれるようになった。疲れはあるが、やりがいを感じる」。その目は充実感にあふれていた。(下野新聞)

 [写真説明]訓練馬を丹念に手入れする湧田さん

2010年1月14日木曜日

騎手の勝負服をストラップに


福山競馬場のジョッキーでつくる広島県調騎会騎手部会(黒川知弘部会長)は、勝負服をデザインした携帯電話ストラップを作成、福山競馬場内で販売を始めた。騎手関連のグッズ販売は初めてという。

 福山競馬に所属する全騎手分の17種類。縦2・5センチ、横2センチの革に青、水色を組み合わせたのこぎり歯模様や、青と白の縦じまなどの勝負服がそれぞれあしらってある。

 1個500円。それぞれ20個作り、2日から場内の総合案内所で販売を始めた。すでに完売し、追加注文したものもあるという。

 福山競馬の入場者は昨年は前年より約9300人少ない約18万2700人。入場者、売り上げにも歯止めが掛からない中、グッズ人気で入場者も売り上げも回復させる狙いがある。(中国新聞)

【写真説明】所属騎手の勝負服がデザインされた携帯電話ストラップ

地方競馬を支えて<4>後進指導 元騎手の目 無事デビューを願う 求められる心構えも強調


 「今の子たちは幸せ。これだけの施設があり実戦的な練習も積める。ただハングリーさがちょっと足りないかな」

 地方競馬教養センター参与の佐々木竹見さん(68)は川崎競馬の元騎手で、42年の騎手生活で通算7153勝の日本記録を持つ。現役を引退した2001年から同センターで定期的に後進の指導に当たっている。

 昨年11月26日、ダートコースを見渡す審判塔に佐々木さんの姿があった。89期入所生の騎乗を見るのはこの日が初めて。午前中、コースを騎乗する一人一人を双眼鏡でチェック。午後の授業では騎乗時に指導教官が撮影したビデオを交え、各自の問題点を指摘した。

 「もっとスピードを出さないと」「馬に引っ張られちゃってる。まだまだだな」。厳しい言葉が並ぶ。候補生らはメモをとったり、真剣な表情で聴き入る。 

 スタート時に悲鳴を上げて注意された日野太一さん(19)=福岡県久留米市出身=は「思った以上にスピードが出て、まずいと思って…」。日野君とは逆に十分に加速できなかった山頭信義君(16)=千葉県習志野市出身=は「いつもより速く走ったつもりだったが、不十分だった。次は怖がらずに乗りたい」と反省した。

 騎手に求められる心構えについて佐々木さんは「まずは素直な心」と強調する。「まじめに厩舎の掃除をし、馬の世話をする。周囲に信用してもらうことで、いい馬にも乗せてもらえるようになる」

 現役時代は南関東リーディング通算17回獲得の栄光だけでなく、けがの連続だった。骨折した左足には今も金具が入っている。それだけに「入所中とにかくけがをしないで。全員が無事に卒業しデビューしてほしい」と願っている。(下野新聞)

 [写真説明]89期生の騎乗をチェックする佐々木さん。厳しい言葉とは裏腹にその目はどこか優しげだ

2010年1月13日水曜日

地方競馬を支えて<3>騎手候補生たち(2) 技術習得へ厳しい訓練 南関東デビュー狭き門


 周辺の木々が紅葉を始めた昨年11月下旬。地方競馬教養センターでは角馬場での基本練習に加え、ダートコースを使った走路練習が始まった。

 「あんなにスピードを出すつもりじゃなかったが…」。89期入所生の柿元量平君(18)=千葉県習志野市出身=が肩を落とした。抑えがきかず、馬任せで走ってしまった。

 父親は船橋競馬の元騎手で現在は調教師。卒業後は父親の厩舎の所属騎手としてのデビューが内定している。しかし同期の中でも訓練は遅れがちで、教官に叱責されることも多い。

 騎手の道を選んだことで、父親の偉大さを改めて実感するという。「簡単そうに騎乗していたので自分もできるかと思ったが、見るとするのは大違いだった」。この数日前、両親が面会に来た。父親は騎乗のアドバイスに加え「頑張れよ」と励まされた。

 「自分の技術はまだまだ未熟。同期に置いて行かれないよう、何とか食らいついていきたい」と力を込める。

 「最初の1カ月は辞めたい、帰りたいとばかり思っていたが、もう大丈夫」。青森県八戸市出身の下村瑠衣さん(16)は89期生唯一の女性。同センターにとっても5年ぶりの女性入所生となる。

 3歳から乗馬クラブでポニーに乗り、物心ついたころには騎手を目指していた。中学時代は部活動よりも、乗馬クラブでの騎乗練習がメーンだった。

 乗馬経験の豊富さもあって技術は同期の中でも高い方だが、入所当初は男性との体力差から訓練の進み具合が遅れがちだった。「何で自分だけできないのか」と悩むことも多かった。それでも訓練後の自由時間に自主的に筋力トレーニングに取り組んだ効果が徐々に現れ、引けをとらないようになってきた。

 川崎競馬にあこがれがあるが、地方競馬の中で比較的賞金の高い南関東地区は新人騎手には狭き門。「教官からは『川崎は難しい』と言われた。実家に近い岩手競馬も考えているが…」と複雑な胸中をのぞかせる。 (下野新聞)

 [写真説明]角馬場で基礎練習に取り組む89期生

2010年1月12日火曜日

新人王争覇戦 西森騎手5位

 デビュー3年未満の騎手らが腕前を競う「第24回全日本新人王争覇戦競走」が12日、高知市長浜宮田の高知競馬場で開かれ=写真=、日本中央競馬会(JRA)の伊藤工真騎手が優勝した。高知競馬の西森将司騎手は5位だった。

 2レースの合計ポイントで勝敗を決める方式で、伊藤騎手は連続2着で1位となった。2位は船橋競馬(千葉)の沢田龍哉騎手、3位は園田競馬(兵庫)の大柿一真騎手。2008年に新人の年間最多勝記録を樹立し、活躍が期待された三浦皇成騎手は6位だった。

 若手の活躍を一目見ようと県外からも多くのファンが駆け付け、声援を送った。神戸市灘区の女性(30)は「交流レースをたくさん開いて、地方競馬を盛り上げてほしい」と話していた。奈良県大淀町から応援に駆け付けた大柿騎手の弟恒也君(8)は「JRAの騎手になって、色んな競馬場でレースをしたい」と笑顔だった。(読売新聞)

地方競馬を支えて<2>騎手候補生たち(1) 寮生活、早朝から厩舎へ 外出は2週間に1度


 「おはようございます」。午前9時、訓練馬にまたがった騎手候補生らが元気なあいさつとともに現れた。

 昨年4月に入所した89期生は16~19歳の男女8人。卒業までの2年間を同センターの寮で過ごす。1年先輩の88期生は昨年8月から各地方競馬の調教師の下での厩舎実習に出ているため、現在、同センターで訓練に取り組むのは8人のみだ。

 入所生の朝は早い。午前5時半に起床し、訓練馬の手入れや厩舎の清掃に取り組む。朝食後、午前中いっぱいは騎乗訓練。午後は英語や一般教養、競馬に関する法規などの授業を受けた後、再び夕方まで厩舎作業に従事する。神奈川県相模原市出身の田中涼君(16)は「時間ごとにてきぱき動かなければならないので、慣れるまでは大変だった」と話す。

 騎乗技術だけでなく、騎手につきものの体重制限も厳しい課題の一つ。16歳以下は45キロ以下、17歳以上は46キロ以下を保たなければならない。

 食事は煮魚、ビーフシチュー、鶏もつの煮込みなど、朝昼夕3食とも専属栄養士がカロリー計算をしたメニューが並ぶ。体重が気になる入所生は全部は食べなかったり、夕食後にセンター内をランニングするなど自己節制が求められる。丸山真一君(19)=長野県生坂村出身=は「体重制限はあまり苦にならないが、たまに甘いものが欲しくなる」と笑う。

 2週間に1回の外出日は入所生の数少ない楽しみの一つ。1人2千円の小遣いが与えられ、自由に買い物ができるが、帰寮時に必ずレシートの提出が求められる。買ったものと金額が合わないと、次回の外出禁止などペナルティーが課される。指導教官の1人は「騎手になったときのため、若いうちから金銭出納の意識を持たせる目的もある」と話す。 (下野新聞)

 [写真説明]訓練馬の世話をする89期生