カリフォルニア州アナハイム(AP) カリフォルニア州のディズニーランド直営ホテルで働く従業員が14日、労使紛争のもつれからパーク前で座り込みを行い、警察に逮捕された。シンデレラ、白雪姫、ティンカーベルなどディズニーの人気キャラクターの格好をした女性も手錠をはめられ警察車両に乗せられた。 逮捕されたのはディズニー直営の3ホテルで働く従業員32人。「ディズニーは不誠実」「ミッキーの恥」などと書いたプラカードを持って抗議活動を行い、ホテルからディズニーランド前までデモ行進。人通りの多いゲート前で輪になって手をつなぎ座り込んだ。 アナハイム警察によると、逮捕容疑は公務執行妨害と交通違反の軽罪。事情聴取後に釈放された。 労使紛争の焦点になっているのはディズニー直営のパラダイスピア、グランドカリフォルニア、ディズニーランドホテルの3ホテルで働く部屋係、ベルボーイ、調理師など2300人。労働組合によると、2月に雇用契約が切れた後、ディズニー側が新たに提案してきた労働条件では、医療保険の保険料が払えない従業員が続出し、不公正な二段階の賃金制度が導入されるという。 組合側によれば、ディズニーはこれまでホテル従業員向けに医療保険を無料で提供してきたが、今後の新規雇用者には無料制度を廃止。また、福利厚生を大幅に減らし、有給休暇や病欠を認めないパートタイム契約の導入も提案してきたという。 ディズニーの広報は、労働組合とは交渉中でまだ決着していないと説明。組合側は14回も抗議活動を行ったが、交渉の席に就いたのは過去半年で11回のみだったとして、「(組合側が)抗議の方に時間をかけているのは残念だ。スタンドプレーは非生産的で、リゾートエリアでは極めて破壊的な行為だ」と話している。(AP通信)