広島県馬主会(八木徹会長、約240人)が、福山競馬の存廃について早急に結論を出すよう福山市議会競馬事業特別委員会(小川勝己委員長)に要望書を出していたことが18日、分かった。来年度以降の事業継続が不透明なままでは購入時期をまもなく迎える新馬の確保に本気で取り組めないとの思いが背景にある。
要望書は、羽田皓市長が事業継続の条件とする単年度の黒字確保を「現在の社会経済状況では大変困難」と指摘。一方で、市が収支均衡の手段としている出走奨励金やレース賞金をこれ以上切り詰めることに強い抵抗感を示している。
仮に実行されれば、10月下旬にも始まる1歳馬のセールでも福山競馬の馬主が買い控えする事態が起きかねないとし「事業は非常に困難になることは明らか」と懸念している。
福山競馬は、年々落ち込む売り上げに対応するようにレース賞金などを大幅削減。2005年度からなんとか4年連続で単年度黒字を確保してきたが、昨秋からの不況のあおりもあって本年度第1四半期(4~6月)は約2500万円の赤字。8月の競馬事業特別委で市側は(単年度黒字の維持は)このままでは大変厳しい状況」と認め、一層の経費節減で収支均衡を目指す方針を打ち出している。(中国新聞)