2009年9月9日水曜日
姫路競馬場に洪水調節池 15年度の完成目指す
2004年の台風23号による豪雨で、姫路市中心部を流れる船場川(2級河川、11・6キロ)があふれ、179戸の浸水被害が出たのを受け、県は姫路競馬場(同市広峰)に貯水容量12万トンの洪水調節池を造ることを決めた。レーストラック内側の芝生広場2・5ヘクタールを深さ8メートル(最大水深7メートル)まで掘り下げる。本年度から概略の設計に入っており、都市型のゲリラ豪雨に威力を発揮しそうだ。15年度の完成を目指している。
河川工学や生物の専門家、流域住民ら18人でつくる船場川河川整備計画検討委(委員長=藤田一郎・神戸大大学院工学研究科教授)が当時の雨量を安全に流れさせることを目標に検討した。
調節池は船場川の水位が一定程度上昇したときに使用。当時の流量(毎秒35トン)だと、新設する堰を毎秒16トンの水が越えると考えられ、これを導水路(580メートル)を通じ調節池に流し、洪水被害を防ぐ。掘り下げた地面にも芝生を植え、普段はスポーツなどに利用できる。
県は10年度に本格設計し、11年度末の着工を目指す。事業費は約63億円(半額は国庫補助)。
県によると、船場川と支流の大野川(3・9キロ)では04年の台風23号で約30ヘクタールが浸水。床上浸水12戸、床下浸水167戸の被害が出た。(神戸新聞)
<写真>芝生広場を掘り下げた姫路競馬場調節池のイメージ図。洪水時に船場川の水をためる(県姫路土木事務所提供)