経営難の荒尾競馬組合(管理者、前畑淳治荒尾市長)の出走手当の引き下げ問題で、県馬主会(末藤惇会長、184人)の対策委員会(委員長、奈良崎孝一郎・奈良崎獣医科病院会長)は10日、「一方的なカット通告は承服できない」と、騎手会など関係者と協議した。その結果、裁判闘争も辞さない構えで、現場従業員と歩調を合わせることを決めた。
引き下げは、馬の年齢などで2ランクに格付けされる出走手当を21日の第7回開催から一律1万5000円下げ、4万5000円と3万5000円にするもの。約14億円の累積赤字を抱え、単年度黒字化が至上命令の競馬組合としては本年度の最終合理化策だった。
馬主会は8日の総会で、第7回開催のレースに出走するかどうかは馬主個人の判断に委ねるが、手当引き下げ問題は対策委員会(7人)を設置して対応することを決めた。
10日の出走受け付けには、250頭の出走申し込みがあり、レースは成立する見通しとなった。だが、手当引き下げ問題は馬主会や調騎会、厩務員会がそろって反対しており、競馬組合側が対応を誤れば、泥沼に入り込む恐れが十分にある。(毎日新聞)