厳しい運営状況から今年度中に廃止する方針を固めた荒尾市。荒尾競馬組合で25日あった関係者との意見交換会で、前畑淳治市長は存廃の結論を問われても答えず「考えをまとめて県と協議した上で決定する」という考えを強調した。結論は9月5日開会予定の定例市議会で発表するとし、それまでに県と協議する。
発表を9月としたのは、来年度の競馬開催の認可申請準備に入る10月が期限となるため。前畑市長は09年、学識者ら外部委員による荒尾競馬の「あり方検討会」から「09~11年度の収支を見て存廃を判断するのが妥当」との提言を受け、11年度中に結論を出すと表明していた。
意見交換会では馬主らから、廃止で出走先が九州では佐賀競馬に限られることなどから、廃止反対の意見が相次いだ。廃止した後の十分な補償を求める声も多く出た。同競馬場所属の調教師は「廃止するなら早くして。今なら別の就職先が探せるが、地方競馬はどこも厳しく荒尾より先に別の地方競馬が廃止されれば、そこの関係者で就職先も埋まってしまう」と訴えた。(毎日新聞)