福山市は1日、福山競馬の2012年度上半期(4~9月)の売上高が、前年度上半期と比べて13・1%減少したと発表した。事業存続の条件である実質単年度収支の黒字確保に向け、市はさらに厳しい運営を迫られる。
市によると、今年度上半期の売上高は36億3168万円で、昨年度上半期から5億4526万円減った。昨年度は、東日本大震災で東北や関東地方の競馬が休止し、福山競馬のインターネットの馬券販売に利用客が集まったという事情があり、市は「(今年度の売り上げ減少は)前年度が好調だった反動」と説明する。
しかし、地方競馬最多勝馬のモナクカバキチが引退するなどして固定客の足が遠のき、人気の低下に歯止めがかからないのが現状だ。今年度上半期の入場客は6万9335人で同9・2%減少した。
一方、今月7日からは日本中央競馬会(JRA)が実施しているネット会員対象の馬券販売に地方競馬が加わる予定で、売り上げの回復が期待される。年間を通じて最も多くの入場者でにぎわう正月開催も控える。
市競馬事務局は「重賞レースを増やすなどして人気回復に努め、経費も節減している。実質単年度収支黒字の確保のため、手を尽くしたい」としている。(読売新聞)