2012年10月31日水曜日

名古屋競馬「黒字化が可能」


県外郭団体試算 払戻率抑制が前提 
 累積赤字が約40億円に上る名古屋競馬(名古屋市港区)のあり方を有識者らが検討する経営改革委員会は30日、名古屋市で第4回会合を開いた。現状のままでは今年度以降、億単位の単年度赤字が続くが、経営努力によって2014年度以降に黒字化が可能とする試算が示された。
 名古屋競馬は愛知県、名古屋市、豊明市で構成する県競馬組合が運営している。
 県の外郭団体「あいち産業振興機構」が今年度から2018年度までの収支を試算した。それによると、日本中央競馬会(JRA)のインターネットや電話による馬券販売「IPAT」で、地方競馬の馬券を購入できる制度が今月から始まったことを受け、今後の売り上げ増見込みを加えても、1億~5億円台の赤字が続く。
 一方、今年6月に成立した改正競馬法により、現在は平均約75%の払戻率を、競馬を主催する自治体が70~80%の範囲で設定できるようになる。IPATによる売り上げ増に加え、14年度から払戻率を70%に下げて収益を増やすことで、同年度に黒字化、その後も黒字が続くとした。
 また、県競馬組合も、同様の条件に加えて人件費削減なども行った場合、同機構の試算結果よりも、さらに5千万~1億円以上の収支改善が見込めるとの独自試算を報告した。
 ただ、払戻率の変更幅は全国の地方競馬で一律になる可能性があり、委員からは「70%に変更できるのか」「変更後に売り上げが減っても黒字化できるのか」などの意見が出た。(朝日新聞)