県地方競馬組合は今年中にも、笠松競馬場で日本中央競馬会(JRA)の馬券が購入できるシステムを導入する方針を固めたことが28日、分かった。ファンの多いJRAの馬券を発売することで、手数料収入などによる収益増を見込む。3日の同組合定例議会に関連予算案を提出する。
同競馬場以外の地方競馬では、既にJRAの馬券が購入できる。組合はシステムの導入には、数億円の費用が必要なため、慎重に検討を進めてきた。馬券売り上げの手数料収入に加え、波及効果として、同競馬場が発売する、JRAと同じ土、日祝日開催の他の地方競馬の馬券発売の伸びも期待している。
本年度から導入した名古屋競馬場では、JRAの馬券が購入できるようになったことに伴う収益は、当初の想定を約1億円上回る見込みという。
◆来月から馬券払戻率を変更 単勝と複勝は80%
笠松競馬場を運営する県地方競馬組合は28日、勝ち馬投票券の払戻率を4月から変更する、と発表した。売り上げの減少が続く地方競馬の払戻率を、70~80%の範囲で柔軟に設定できるように見直した改正競馬法の4月の施行を受けて、変更する。
全国の競馬場で約75%だった払戻率を主催者が単勝や複勝、三連単など賭式ごとに定められるようになり、魅力ある馬券販売が可能になる。
県地方競馬組合では単勝、複勝は80・0%に引き上げ、三連単、三連複は72・5%、五重勝は70・0%に引き下げた。ほかにワイドなど四つの賭式は75・0%とする。
2009年度から実質単年度収支が4年連続で赤字の同組合では、経営改善策の一つと期待する。
組合管理者の広江正明笠松町長は「払戻率の変更で経営の安定につなげるとともに、ファンに楽しんでもらえるよう努力していきたい」と話した。
同組合は、新払戻率を4月7日開催のレースから適用する。(岐阜新聞)