全国で見直しが進められているニュータウン計画のうち、ハイテク都市構想が描かれていた大津市伊香立の「びわこサイエンスパーク」予定地を、競走馬の育成牧場として整備する計画が進んでいる。日本中央競馬会(JRA)の栗東トレーニング・センター(滋賀県栗東市)に近い立地を生かそうという試みで、開発を進める都市再生機構(UR)と大津市は2月にも牧場などを運営できる事業者の募集を開始する予定。先端産業に目を奪われていたニュータウン事業が行き詰まる中、地域の特性を生かした新たな開発モデルとなるか注目を集めそうだ。
びわこサイエンスパークは、先端技術型の企業や研究所と住宅が一体となった約200ヘクタールのニュータウンを、京都市境に近い山林に開発する計画。当初は世界一の高さを誇るタワーの建設や京都大学のキャンパス誘致などの案が浮上したものの約40ヘクタールの造成を始めただけで開発は頓挫していた。
平成16年7月に大規模公共事業の見直しや特殊法人の統合・再編で、URが誕生。ほぼ同時に「新しいニュータウン整備には着手せず、着工ずみの事業は平成25年までに工事を終えるか、30年までに土地の処分を完了させる」との政府方針が示された。
びわこサイエンスパークも見直し対象のとなったが、予定地の大部分は「塩漬け状態」で山林のまま。開発計画をまとめる協議会の一員である大津市が、里山の残る環境を生かして競走馬の育成牧場を整備する計画を打ち出した。
栗東トレセンでは最大約2000頭の競走馬を厩舎(きゆうしや)で管理できる。休養やコンディション調整の必要な競走馬は、北海道などの育成牧場に預けられるているが、遠方の場合、輸送費や馬への負担も大きいのがネックになっていた。
滋賀県内にも育成牧場は新設されつつあるため、同市はニュータウン予定地に競走馬の育成牧場を整備すると同時に、一般向けの乗馬施設や観光農園も併設し、「観光振興を図りたい」としている。 一方、URは「地域の特性に合わせた大胆な発想の転換」と歓迎しており、「計画が行き詰まっている他のニュータウンにも、突破口を示すヒントになるのでは」としている。(産経ニュース)
びわこサイエンスパークは、先端技術型の企業や研究所と住宅が一体となった約200ヘクタールのニュータウンを、京都市境に近い山林に開発する計画。当初は世界一の高さを誇るタワーの建設や京都大学のキャンパス誘致などの案が浮上したものの約40ヘクタールの造成を始めただけで開発は頓挫していた。
平成16年7月に大規模公共事業の見直しや特殊法人の統合・再編で、URが誕生。ほぼ同時に「新しいニュータウン整備には着手せず、着工ずみの事業は平成25年までに工事を終えるか、30年までに土地の処分を完了させる」との政府方針が示された。
びわこサイエンスパークも見直し対象のとなったが、予定地の大部分は「塩漬け状態」で山林のまま。開発計画をまとめる協議会の一員である大津市が、里山の残る環境を生かして競走馬の育成牧場を整備する計画を打ち出した。
栗東トレセンでは最大約2000頭の競走馬を厩舎(きゆうしや)で管理できる。休養やコンディション調整の必要な競走馬は、北海道などの育成牧場に預けられるているが、遠方の場合、輸送費や馬への負担も大きいのがネックになっていた。
滋賀県内にも育成牧場は新設されつつあるため、同市はニュータウン予定地に競走馬の育成牧場を整備すると同時に、一般向けの乗馬施設や観光農園も併設し、「観光振興を図りたい」としている。 一方、URは「地域の特性に合わせた大胆な発想の転換」と歓迎しており、「計画が行き詰まっている他のニュータウンにも、突破口を示すヒントになるのでは」としている。(産経ニュース)
<写真>一部の造成が始まっただけで広大な敷地が手つかずで残っているびわこサイエンスパークの予定地=大津市伊香立(笹井香予子撮影)