福山市営競馬(福山市千代田町)で1月2~4日に行われた正月競馬の売り上げが、前年同期比6600万円(13%)減の約4億4800万円だったことが、同市競馬事務局のまとめで分かった。約20億円の累積赤字を抱える同市営競馬は、単年度を通じての黒字確保が事業継続の大前提だが、2008年度は第2四半期(7~9月)決算がわずか17万円の黒字と厳しい状況。1年で最も馬券が売れる正月競馬に望みをつないでいた同事務局は、当てが外れた格好で、「今後の魅力ある企画レースで挽回(ばんかい)したい」と巻き返しに懸命だ。(諏訪智史)
09年の正月競馬は、3日の第9レース「農林水産大臣賞典第44回福山大賞典」(2600メートル)の売り上げが約1億1300万円と、08年の同レースに続き2年連続で1億円の大台に乗るなど明るい兆しも見られたが、その他のレースで販売が伸び悩み、3日間では前年同期(約5億1400万円)の87%にとどまった。
同市営競馬の08年度上半期(4~9月)の収支は、前年同期比67・5%減の約2490万円の黒字に落ち込んだ。競馬事務局は上半期終了時点で、年間販売収入が前年度比6・5%減となり、08年度は黒字ゼロになると予測していた。だが、その後の景気悪化の影響などで、第3四半期(10~12月)が赤字となる恐れが出てくるなど、予測を上回る厳しい経営を強いられている。 単年度の黒字確保は、「競馬事業継続の前提」(羽田皓市長)だけに、08年度決算が赤字に転落した場合、廃止論が浮上することも考えられる。佐藤彰三・競馬事務局長は「非常に厳しいと受け止めざるを得ない。人気を呼びそうな今後の企画レースをPRし、売り上げアップを目指したい」と話している。(読売新聞)