現時点での廃止は求めず
約20億2000万円の累積赤字を抱える福山市営競馬の経営健全化策などを協議する「福山地方競馬健全化対策推進委員会」(早川佳行会長、13人)の3回目の会合が26日、市役所であり、振興策などの意見をまとめ、羽田皓市長に提出した。
競馬事業の存廃に関しては、「景気が後退しているこの時期に廃止すれば、関係者の生活や地域経済への影響が甚大」として、現時点での廃止は求めなかったが、引き続き新たな振興策を考えるなど、事業の再生に取り組むことを要求した。
振興策については、2008年度当初で384頭の在籍馬について「430~450頭が望ましい」として馬確保の対策を求めたほか、他の競馬場と開催日が重ならないよう日程調整したり、団体客を誘致したりして、新たなファンの掘り起こしなどを提言した。
今後の事業のあり方に関して、08年度全体で赤字になった場合は「市民理解が得られない」との認識を示し、「事業を継続するには明確な基準の検討が必要」とした。
羽田市長は取材に対し、今回の意見を新年度予算に反映させる考えを表明。08年度通年で赤字になった場合、事業廃止に踏み込むかどうかについては「市営競馬には1000人近い雇用がある」と慎重な姿勢を示した。(読売新聞)