2008年12月20日土曜日

骨折の誘導馬が復帰…兵庫・園田競馬場 「ホワイトラマン」、地道なリハビリ実る


 兵庫県尼崎市の園田競馬場で3月に骨折した誘導馬のホワイトラマン(牡18歳)が、約9か月ぶりに復帰を果たした。
 人間ならおよそ70歳だが、地道なリハビリに励み、単独誘導できるまでに回復。調教担当の山名弥玲(みれい)騎手(28)は「足の骨折は致命傷になりかねず、当初復帰は難しいと思っていただけに、本当にうれしい」と喜んでいる。
 園田競馬場の誘導馬はホワイトラマンのほか、マコーリー(牡23歳)とロングマリーン(牡18歳)がいる。レースごとにパドックから馬場まで約200メートルの間、競走馬を先導している。
 ホワイトラマンは北海道生まれ。1993年から15年間、栃木県の地方競馬教養センターで騎手候補生の訓練馬を務め、昨年、同競馬場へやって来た。おとなしく人なつっこい性格で、白い馬体に淡いピンクの鼻先がチャームポイントだ。
 昨年12月からマコーリーの姿をまねて訓練を重ね、2月下旬にデビューしたが約1週間後、右後ろ脚の骨に亀裂が見つかった。3か月間、馬房から出られず、けがをかばうために左脚が腫れたことも。高齢のため回復が遅れたが、少しずつ歩く距離を延ばすよう練習して、足元を気にせず走れるようになった。山名さんは「動けない時もイライラせず、じっと回復を待ってくれた」と振り返る。
 11月25日の第8レースで復帰。雰囲気に慣れるまでロングマリーンと2頭で誘導していたが、今月3日に単独誘導を始めた。早朝に50分間走って体をほぐし、1日4レースで山名さんとともに堂々とした姿を見せている。
 県競馬組合の林三四和・企画広報課長は「年末年始はお客さんがたくさん集まる。3頭そろってレースを盛り上げてほしい」と期待している。(読売新聞)