笠松競馬場(羽島郡笠松町)の土地明け渡し訴訟(控訴審)で、交流提携している名古屋競馬場の調教師、騎手、厩務(きゅうむ)員、獣医師、装蹄(そうてい)師の団体と関連業者でつくる名古屋競馬振興協議会が2日までに、名古屋高裁に笠松競馬の借地継続への配慮を求める要望書を提出した。
要望書は昨年、笠松開催の全出走頭数のうち名古屋所属馬が22・7%、名古屋開催の全出走頭数のうち笠松所属馬が8・7%に及んだこと。馬券も笠松開催の全売り上げのうち名古屋関連の場外発売が約30%、名古屋開催の全売り上げのうち笠松関連の場外発売が13%を占めたことを例に、「経営の依存度が非常に高く、利用者も一体のものとして利用している。笠松で開催できなくなった場合、名古屋の経営への影響は甚大で、協議会所属団体の構成員の生計が破たんする」と危ぐを表明。
その上で「岐阜県地方競馬組合が借地を継続できれば名古屋への深刻な影響を回避できる。借地権を認め、原告側に借地料の譲歩で解決するよう強く促すべき」とし、「東海地区の公営競馬の全滅に直結する判決がなされぬよう」求めている。(岐阜新聞)