2008年12月22日月曜日

ばん馬の蹄鉄を記念品に加工 浦河の障害者施設 収益金、協賛レースに


 【帯広】ばんえい競馬を開催中の帯広競馬場で二十一日、ばん馬の使用済み蹄鉄(ていてつ)を磨いて記念品に加工している日高管内浦河町の知的障害者支援施設「浦河向陽園」の入所者らが、作業の収益十五万円を協賛レースに充当し、調教師らに賞金を手渡した。
 同園では、ばんえい競馬が帯広市の単独開催となった昨年四月、「馬産地として、ばんえいを支援したい」と、従来手がけていたサラブレッドの蹄鉄に加え、ばん馬の蹄鉄の加工も始めた。製品は、帯広のNPO法人「とかち馬文化を支える会」が同競馬場などで一本二千百円で販売。五百個を売り上げた。
 同園や支援する有志らは、「収益の一部を調教師らの賞金に」と積み立てを続け、十五万円に達した。これを二十一日に行われた九レースの協賛金に充て、入所者三人と有志ら計十四人が帯広競馬場を訪れ観戦した。
 入所者らはレースが終わる度に表彰台に上がり、調教師や騎手に「頑張ってください」と感慨深げに賞金を渡した。蹄鉄加工の橋渡し役を務めた浦河町内の和食店経営梶田晴之さん(49)は「ばんえいも道営競馬も厳しい現状だが、思いを一つにして応援の輪を広げられれば」と話している。

<写真>協賛レースの勝利騎手や調教師と一緒に記念撮影する浦河向陽園の入所者ら