2009年7月14日火曜日

アドマイヤムーン半弟に1億4500万円


「セレクトセール2009」(13~15日)が、北海道苫小牧のノーザンホースパークで開幕。初日は1歳馬のセリが行われ、注目のアドマイヤムーンの半弟マイケイティーズの08(父ロックオブジブラルタル)は、1億4500万でマイネル軍団・ビッグレッドファームの総帥である岡田繁幸氏が落札した。この日は3頭の1億円ホースが誕生。落札総額、売却率でも昨年を上回り、不景気を感じさせない盛況ぶりだった。

 大方の予想を裏切る結末に場内はどよめいた。初日の目玉マイケイティーズの08は、言わずと知れた07年のドバイデューティフリーを制したアドマイヤムーンの半弟。同年のセレクトセールでは近藤氏がマイケイティーズ06、07をそれぞれ2億5000万円、3億円と問答無用で落札していたが、今年は(有)ビッグレッドファームが奮起した。

 5000万円からスタートし、500万円刻みでテンポ良く値段がつり上がる。1億を超えてからはアドマイヤ軍団とマイネル軍団の一騎打ち。間髪入れずに応酬した近藤氏が態勢有利に思われたが、1億4500万円の声がかかると沈黙。あっけない形で、ハンマーが振り落とされた。

 マイネル軍団の熱意は誰にも負けなかった。総帥の岡田繁幸氏は血統背景ではなく、何よりも馬体にひかれたという。「ロックオブジブラルタルの子は走らないけど、この馬は(母の父の)サンデーサイレンスの血が入っていて粘りとバネがある。ロックの子とは思えない。世界中のセリに行っているけど、筋肉が柔らかくて収縮する、これだけの馬はいない。すごい光沢だよ」。競馬界屈指の相馬眼を持つ岡田氏の言葉だけに重みがある。
<写真>1億4500万円で落札されたマイケイティーズの08=北海道苫小牧のノーザンホースパーク

 世界でも最上級の馬体が躍動する舞台には海外がふさわしい。「種馬として成功しないのなら買わなかったよ。今は海外で勝たないと種馬としての価値が上がらない。この馬は日本を代表する馬になる」と活躍の場が国内にとどまらない器であることを強調。「当歳は分からないけど、1歳なら外すことはない」。確信に満ちた眼には、既に海外制覇の夢が鮮明に描かれている。(デイリースポーツ)