県競馬組合議会(議長・渡辺幸貫県議)は17日、盛岡市の盛岡競馬場で開かれ、179億円の発売額を計上した2011年度一般会計予算案など3議案を可決した。議会の調査特別委員会(千葉伝委員長)の報告書も同日まとまり、組合に対してコスト調整の手法を限界と指摘し、中長期の経営見通しの策定を求めた。
11年度収支計画では、発売額179億4700万円(10年度最終見込み比5・8%減)。内訳は自場101億7400万円(同9・0%減)、インターネット発売28億9500万円(同3・1%減)、広域委託48億7800万円(10年度最終見込みと同額)。
売り上げ減により、場外施設や用地の賃料削減や赤字の福島場外発売所を閉鎖するなど運営費縮減を図る。
一方で、賞金や手当の賞典費は減額した10年度の水準を維持。11年度に創設される地方競馬全国協会からの補助制度を約1億円活用する見通し。
議員は厳しい予算編成となった背景や施設整備の見込みなどを質問。全国の地方競馬や日本中央競馬会(JRA)との連携強化を求める意見もあった。
調査特別委員会の報告書では、JRAとの発売連携などを再生のラストチャンスとし、持続的な経営に向け、4、5年ほどの経営見通しの策定を求めた。
管理者の達増知事は「11年度は着実に継続発展するための足固めをしていく重要な年。地域に根差した産業として発展できるように取り組む」と述べた。(岩手日報)