経営悪化の中、実質黒字の確保を条件に11年度の開催が決まった福山市営競馬。この事業の特別会計の予算案も発表された。予算総額は前年度当初比0・6%増の88億円。歳入の柱の馬券売上額は、レース開催日数を前年度より11日増やすなどして同3・6%増の80億円を見込んだ。
一方、歳出は、騎手や調教師らに支払われる賞金や手当などの賞典奨励費を同6・6%減の8億円に抑えた。馬券の販売窓口の従事員の賃金やバス・駐車場の借り上げ料などの運営費も圧縮した。
市は過去3年間の売上額の減り方から、11年度も前年度当初比で4%程度減ると想定。レースを増やし、出走時間を30分遅らせて日本中央競馬会(JRA)のレースとの競合を避ける「薄暮開催」などで増収を図り、経費も全面的に減らして実質黒字を確保する構えだ。レース数が増えれば、騎手ら競馬関係者が賞金や手当を得る回数も増えるため、賞典奨励費の削減による収入減を補う目的もある。
22日の会見で羽田皓(あきら)市長は「実質黒字確保へ、経費節減に最大限努めた。収入増へ強力に取り組む」と述べた。(朝日新聞)