2010年3月17日水曜日

2008年度版サラブレッド生産原価

 このほど届いた「JBBA NEWS」3月号に、「2008年度実績・軽種馬の生産費」と題するデータが記載されている。
 これはかなり以前より、中央競馬会の委託を受けて中央畜産会(東京都千代田区、小里貞利会長)が実施している調査で、全国より35牧場、計83頭分の生産費用について平均18.5か月間にわたる期間について項目ごとに計算し、平均値を割り出したものである。
 35牧場のうち、北海道は31牧場、うち日高は27牧場となっている。もちろん、どこの牧場がモデルになっているかは明らかにされていない。
 ただし、日高の27牧場のうち、いくつかは私も知っている牧場である。かなり乱暴に共通項を挙げるとすれば、「経営内容が比較的良く、且つ、データの提供に協力的な牧場」と言えるだろう。サンプルとして十分に“使える数値”を提供してもらわなければそもそも意味がないわけで、その意味でも、どの牧場に協力を仰ぐかはかなり重要な課題でもある。
 さて、この2008年度版の調査結果によれば、サラブレッド1頭当たりの生産費用は全国平均で約631万円であった。北海道では640万5862円、そして日高では637万828円となっている。
 これは前年の調査時よりも率にして5.6%(37万5855円)の減少となっているものの、依然として高い水準で推移していることが分かる。
 生産費用のうち、もっとも大きな割合になっているのが、他ならぬ種付け料である。全国平均で206万9360円、北海道では213万5805円、日高では214万6948円で、生産原価に占める割合は三分の一を超える。
 次に割合の高いのは、労働費で、全国平均136万9279円。北海道でも日高でも大きな差はなく、いずれも130万円台である。
 その他では、繁殖牝馬償却費(54万6423円)、飼料費(37万4062円)、建物費(償却費と修繕費を合わせて24万3135円)、管理用具費(償却費と修繕費を合わせて33万560円)、獣医師料医薬品費14万9433円、といったところが大きな項目として挙げられる。
 これらの項目のうち、変動の大きなものは、やはり種付け料であろう。無料で配合できる種牡馬から、ディープインパクトの900万円まで相当に幅が広いため、種付け料にどれだけ投資するかによって生産原価は大幅に変わってくる。
 ただし、平均的な配合をイメージすると、種付け料200万円~250万円クラスといえば、今年の種付け料では、アルカセット、ステイゴールド、ロージズインメイ、メイショウサムソン、チチカステナンゴ、タニノギムレット、デュランダル、ダンスインザダークあたりが該当するだろうか。1頭当たり200万円として5頭いれば1000万円である。この出費は生産者にとって決して小さなものではなく、とりわけ生産馬の販売価格が伸び悩む昨今ではなおのこと大きな負担となって台所を直撃している。
 631万円を投じてサラブレッド1頭を生産しても、それだけの価格で販売できなければマーケットブリーダーは成り立たない。現実問題として、日高の市場における落札馬の平均価格はこの生産原価に届かない場合が多いため、不足する分はどの項目かを削る必要が出てくる。
 その最たるものは、労働費である。
 飼料費、獣医師医薬品費、繁殖牝馬償却費、建物費、管理用具費などを削減する前に、自分の労賃を計算せずに生産活動を行うことになり勝ちなのだ。約137万円の労働費のうち、家族労働費は107万円。ここがしばしば「ただ働き」になってしまうのである。
 こうして、項目ごとに検証して行くと、やはり種付け料の割合が突出している。オーナーブリーダーが自らの服色で競馬に供するのならばまだしも、マーケットブリーダーが販売を目的としてサラブレッドを生産する場合において、配合種牡馬はかなり重要だから、ほとんど不可避的に「それなりのレベルの種牡馬」を選定せざるを得ない。理論的には、ただ同然で入手した繁殖牝馬に同程度の種牡馬を配合すれば、原価はかなり抑制できる計算だが、それでは実際に販売する時、著しく不利であることは言うまでもない。
 ともあれ、依然として生産者が厳しい牧場経営を強いられていることを実証するデータではある。(Net-keiba.com)

ナイター効果、黒字維持…高知競馬 09年度 電話、ネット販売伸び

 高知県競馬対策課は、高知競馬(高知市長浜宮田)の2009年度の収支が、全国初の通年ナイターレース「夜さ恋(よこい)ナイター」を開始した影響で、2728万円の黒字見通しとなったことを明らかにした。08年度(5684万円)に続く2年連続黒字見通しで、同課は「最後の切り札としてナイター競馬を始めたが、判断は間違っていなかった。今後は経費節減だけでなく、さらに売り上げアップも目指す」としている。県議会産業経済委員会で報告した。
 高知競馬では昨年7月、通年のナイターレースをスタート。結果、高知競馬開催レースの1日当たりの売り上げのうち電話、インターネットによる販売が、ナイター開催前の約25%から今年1、2月は7割に増加。売り上げ高も7割アップの約7000万円に増え、年間売り上げ見込みも51億1400万円と前年度(38億8100万円)を大幅に上回る見通しとなった。
 ただ、電話、インターネットによる売り上げは、運営業者に11~17%の手数料を払う必要があるほか、光熱費やナイター設備の整備費など費用がかさんだこともあり、黒字幅は減少する見込み。ナイター設備の県担分の大半を基金の取り崩しでまかなったため、年度末の基金残高は440万円まで減る見通しとなった。
 同課は、「売り上げを圧迫しているインターネット販売手数料の引き下げについて、業者と相談したい」としている。(読売新聞)

2010年3月14日日曜日

高知競馬:ナイター好調、前年比売り上げ4割増 今年度2700万円黒字へ

 昨年7月から始まった高知競馬(高知市長浜)のナイター開催が好調だ。先月末までの1日当たりの平均売り上げは、開催前の前年比で4割増となったことが分かった。09年度の収支は2月中旬時点で約2730万円の黒字が見込まれ、県は「ナイターの試みが奏功した。引き続き黒字を増やしたい」と話している。
 県が12日、県議会産業経済委員会で報告した。高知競馬では経営難を打破する「切り札」としてナイター競馬「夜さ恋ナイター」を導入。他場では実施していない冬季も含めた全国唯一の通年開催で、収入アップを目指してきた。
 県によると、ナイターを開催した53日分(昨年7月24日~2月28日)で見た1日当たりの平均売り上げは5750万円で、前年度(96日分)より1710万円(42%)増となった。中でも、インターネットを含めた電話投票が3140万円を占め、前年度の4倍以上になった。
 ナイターの好調により、今年度の収支は2月14日時点で、2728万円の黒字を見込んでおり、県競馬対策課は「3月末までを考えても赤字に転じることはない」と話す。来年度は約2700万円の財源不足が見込まれるが、08年度の約5700万円の剰余金などで対応可能という。
 来年度には競馬場内に車椅子用トイレを新設するなど、幅広いファンに訪れてもらえるようサービスの充実を図る方針。ただ、騎手や調教師らへの手当が全国最低水準のため、在籍馬や厩舎(きゅうしゃ)関係者の減少が懸念されるといい、黒字をどう手当に還元するかが課題という。
 また、来年度は自場売り上げの6割を電話投票(インターネット含む)が占める見込みだが、販売会社3社への委託料(売り上げの11・5~17・05%)がネックとなるため、同課は「他の競馬場と一体となり、値下げ交渉をしてきたい」と話している。(毎日新聞)

競馬低迷、京都市財政に打撃 JRAからの「交付金」ピーク時の6割


 近年の競馬人気の低迷が、京都市財政に影響を与えている。日本中央競馬会(JRA)が売り上げの一部を競馬場所在地の自治体に寄付する「環境整備交付金」が、本年度の京都市は約7億円にとどまり、ピーク時の6割に落ち込んだ。ここ10年で最低額で、市担当者も「ギャンブルを推奨するわけにもいかないし…」と困り顔だ。

 環境整備交付金は、競馬場周辺の交通渋滞に悩む自治体の要望に沿って1972年度から始まった。全国10カ所の競馬場、約40カ所の場外馬券場(ウインズ)のある自治体に、JRAが「寄付金」として交付。自治体は競馬場、場外馬券場の周辺の道路などインフラ整備に充てている。

 しかし、競馬ブームで過去最高の売り上げとなった97年(4兆円)以降、JRAの収入が減り、2009年は2・5兆円に。自治体への交付金総額も99年度の85億円から09年度は67億円、10年度は64億円になる見込み。

 交付金は各地の競馬場、場外馬券場の入場者数などに応じて自治体に配分されるが、京都市伏見区の京都競馬場の入場者数は97年の230万人から09年は120万人に半減し、交付金も最高の98年度の10億8千万円から09年度は6億9千万円にまで減った。

 ■JRA「減額やむを得ない」

 市は毎年、当初予算に10億円の寄付を見込んで計上し、京阪淀駅前の広場や道路整備などの財源に充ててきたが、ここ数年は2億円程度が不足している。一般財源からの穴埋めを余儀なくされ、新年度予算案では寄付見込みを7億円に下げた。市は「住民への配慮もあり、競馬場周辺の必要事業は減らせない」としており、苦しい市財政に収入減が大きく響いている。

 交付金をめぐっては制度導入時に自治体が地方税としての徴収を求めたが、JRAの反対で寄付金となった。京都市は「善意の寄付金ではなく税金に近い。一方的な減額は納得できない」とJRAに増額を求めているが、JRAは「こちらも経営は苦しく、減額はやむを得ない。交付金の必要性は感じており、確保できるよう努力する」と説明している。

2010年3月13日土曜日

公営ギャンブル苦境

競輪・競艇売り上げ激減 主催16市 財政への貢献低迷

平日の平和島競艇場(1日午後3時3分、大田区平和島で)
 自治体が開催する「公営ギャンブル」が、青息吐息になっている。多摩地区では、26市中16市が競輪と競艇事業を主催しているが、どこの売り上げもピーク時の半分以下。主催市の新年度当初予算案を見ても、公営ギャンブルの会計から市一般会計への繰り出し額は激減している。各市はファンを増やそうと躍起になっている。

 「ギャンブルは不況に強いと言われているが、とんでもない。今を生きるのが精いっぱいだ」

 大田区の平和島競艇場でレースを主催する府中市の担当者は、そう嘆息する。ピーク時の1990年度、年間約1857億円もあった売り上げは、2008年度には約640億円と3分の1に減少。当時、約168億円あった市一般会計への繰り出しも、新年度当初予算案では5億円だけだ。

 同市が競艇事業を始めたのは55年。固定資産税の課税対象にならない府中刑務所があることなどから、都が主催から撤退した同競艇場で開催に乗り出したという。担当者は「市財政に寄与するのが使命なのに」と現状に苦悩している。

 公営ギャンブルは戦後、地方財政の安定化を目指して制度化された。高度成長期からバブル期にかけ、多額の収益が自治体財政を潤してきた。しかし近年、どこの主催者も府中市と同じ苦境を抱えている。

 「KEIRINグランプリ」発祥の地で、全国トップクラスの入場者数を誇るという立川競輪。これまで、収益から総額約1323億円を市一般会計に繰り出し、JR立川駅前の再開発などに使われ、立川市を多摩地区の中心に押し上げる原動力になってきた。

 しかし、ピーク時(92年度)に約907億円あった売り上げは、08年度は約216億円。運営基盤安定化のため、施設改修や従業員の退職金などに使われる基金を積み増すことにしたため、89年度に約78億円あった繰り出しは、05年度からは1000万円だけになっている。

 また、都十一市競輪事業組合と都四市競艇事業組合に至っては、新年度当初予算案段階で、構成市への繰り出しがゼロだった。

 各公営ギャンブル不振の背景には、景気後退による集客減がある。

目立つ年配男性 「レジャー白書」を発行する日本生産性本部余暇創研によると、著名人を起用したテレビCMを流し、「ハイセイコー」など一般にも知られるアイドル馬を生んだ競馬と違い、競輪と競艇は一般人への浸透に失敗した。ファン層の世代交代が進まず、会場には年配の男性の姿ばかりが目立つ。どの主催者も、集客はピーク時の4割前後。同本部は「今の高齢のファン層が抜けたら、事業が沈み込んでしまう」と指摘しており、各担当者は「新規顧客の獲得」を課題に挙げている。(読売新聞)

高知競馬が黒字

 県は12日、高知競馬の2009年度の収支見通しをまとめた。昨年7月から通年のナイターレースを導入し、インターネットによる馬券購入を本格化した効果が表れ、単年度収支が2728万円の黒字になる見通しとなった。
 県競馬対策課によると、自場開催分の馬券売上額(自場売得金)は約51億1千万円となる見込み。前年度実績の約38億8千万円から31・7%増える。このうち、インターネットを含む「電話投票」は前年度実績の約7億2千万円(自場売得金の18・6%)から、3・3倍増の約24億1千万円(同47・1%)に伸びる見込みだ。
 10年度の収支は2663万円の支出超過を予想している。広告費を確保する一方、本場や場外の売り上げの落ち込みを厳しく予想した結果という。同課の担当者は「これまでの剰余金で対応できる範囲だが、まだ楽観できる状況ではない」と話している。
 地方競馬全国協会(地全協)によると、09年4月~10年2月の全国の地方競馬の電話投票の伸びは、前年同期比平均12・7%だった。これに対し、同期の高知競馬の電話投票は3・4倍の約21億9千万円となり、伸び率は全国で最高となった。(朝日新聞)

2010年3月11日木曜日

鹿児島に馬集い海岸でレース展開

 鹿児島県いちき串木野市の照島海岸で「第53回串木野浜競馬大会」が4月18日に開催される。

 昭和33年、当時まだ馬が輸送機関の主力をなしていたころ、地元の荷馬車組合が花見の余興に始めたという同市でも有数のビッグイベント。日本三大砂丘の一つ吹上浜砂丘の照島海岸に、毎年100頭近くの馬が集まり、サラブレッド・農耕馬・ポニーなど部門別にレースを展開。ユーモラスな走りや華麗な走りが春の浜辺を沸き立たせる。今年は中央競馬場でGⅢレースを走っていた引退馬も参戦する。

 ほかにも、ポニーの試乗会や串木野名産のさつまあげや焼酎のほか、さまざまな地元の特産品が並ぶ地元物産展、串木野菓子組合が浜競馬大会のために開発した「ばふーん饅頭」の販売などが行われる。

 問い合わせは、いちき串木野市商工観光課(電話0996-32-3111)へ。(内外総合通信社)