昨年7月から始まった高知競馬(高知市長浜)のナイター開催が好調だ。先月末までの1日当たりの平均売り上げは、開催前の前年比で4割増となったことが分かった。09年度の収支は2月中旬時点で約2730万円の黒字が見込まれ、県は「ナイターの試みが奏功した。引き続き黒字を増やしたい」と話している。
県が12日、県議会産業経済委員会で報告した。高知競馬では経営難を打破する「切り札」としてナイター競馬「夜さ恋ナイター」を導入。他場では実施していない冬季も含めた全国唯一の通年開催で、収入アップを目指してきた。
県によると、ナイターを開催した53日分(昨年7月24日~2月28日)で見た1日当たりの平均売り上げは5750万円で、前年度(96日分)より1710万円(42%)増となった。中でも、インターネットを含めた電話投票が3140万円を占め、前年度の4倍以上になった。
ナイターの好調により、今年度の収支は2月14日時点で、2728万円の黒字を見込んでおり、県競馬対策課は「3月末までを考えても赤字に転じることはない」と話す。来年度は約2700万円の財源不足が見込まれるが、08年度の約5700万円の剰余金などで対応可能という。
来年度には競馬場内に車椅子用トイレを新設するなど、幅広いファンに訪れてもらえるようサービスの充実を図る方針。ただ、騎手や調教師らへの手当が全国最低水準のため、在籍馬や厩舎(きゅうしゃ)関係者の減少が懸念されるといい、黒字をどう手当に還元するかが課題という。
また、来年度は自場売り上げの6割を電話投票(インターネット含む)が占める見込みだが、販売会社3社への委託料(売り上げの11・5~17・05%)がネックとなるため、同課は「他の競馬場と一体となり、値下げ交渉をしてきたい」と話している。(毎日新聞)