日本中央競馬会(JRA)は、茨城県美浦村にある美浦トレーニング・センターの厩(きゅう)舎の改築を2010年以降に着手する。09年度に乗馬センターの移設工事に入り、空いた敷地を活用して厩舎の整備に乗り出す考えだ。今後、改築に向けたスケジュールや施工計画などの検討を具体化させる見通し。JRAは、他の調教施設で厩舎の改築を複数の工期に分けて発注しており、改築が始まれば長期間にわたるプロジェクトが始動することにになりそうだ。
美浦トレーニング・センター(茨城県美浦村大字美駒2500)は、1978年に開設した調教施設で、厩舎や馬場のほか、関係者の宿舎や競走馬診療所などがある。東京競馬場(東京都府中市)や中山競馬場(千葉県船橋市)への競走馬の輸送拠点としての機能も担う。敷地面積は約223.4haで、このうち、約85.7haに調教馬場が2カ所整備されているほか、関係者の住居スペース(1500世帯分)などに約82ha、厩舎に約55.7haが充てられている。
厩舎は、敷地の中央から西側にかけて配置されており、123棟が立地している。競走馬の収容可能頭数は2304頭。建設後30年が経過し、老朽化している。JRAは、同センターのほかの施設とともに計画的な改築や改善が必要と認識している。
厩舎の改築は、まず用地の確保に向けて、北調教馬場の北側にある乗馬センターを南調教馬場の東側に移設する予定だ。09年中に着工する。ただ、跡地は厩舎から北調教馬場をはさんだ位置で離れていることもあり、跡地を厩舎の改築用地に充てるかは未定。別の施設を跡地に整備した上で厩舎に近い敷地を空け、その敷地を活用して厩舎の改築を進める可能性もある。整備手法は、今後の検討課題となる。
JRAは03年から、栗東トレーニング・センター(滋賀県栗東市)で厩舎の改築工事を進めている。毎年15棟前後の改築を進めており、09年も15棟の改築工事(第6期工事)を完成させて第7期工事に着手する予定(施工=6・7期とも安藤建設)。美浦でも、同様な手法で整備することも見込まれる。(建設ニュース)