2010年6月10日木曜日

場外馬券場「経済効果ない」/浜松市


 浜松市の中心市街地に日本中央競馬会(JRA)の場外馬券売り場を誘致する案について、同市が全国3カ所の同様の施設や自治体を独自に調べた結果、「目立った経済効果はない」と結論づけていたことがわかった。これを受け、鈴木康友市長は9日の市議会本会議で、「にぎわい創出につながる明確な(集客)効果は認められなかった」と述べ、誘致計画に疑問を呈した。
 誘致案は、JR浜松駅に近いイトーヨーカドー跡地にある商業ビル「かじ町プラザ」4階に、JRAの有料施設「エクセル」(約822平方メートル)を設け、土日中心に年約100日間営業するというもの。地権者の不動産開発会社アサヒコーポレーションが計画を推進している。経済効果を期待する地元の鍛冶町自治会などは設置を了承しているが、一部の地権者は説明不足を理由に反発している。
 市は5月、東京都西東京、横浜、福岡各市にあるエクセルを視察。地元自治体にも聞き取り調査を行った結果、「ランドマーク的な集客施設とは言えず、地元に対して目立った経済波及効果もない」と結論づけた。
 しかし、場外馬券売り場は地元自治体の同意があれば設置でき、市に許認可権はないことから、鈴木市長はこの日の答弁を「今後の推移を見守りたい」と結んだ。(朝日新聞)
【写真】場外馬券売り場の構想が浮上している「かじ町プラザ」=浜松市中区鍛冶町