2010年6月30日水曜日

福山競馬廃止の方向性示す


 福山市営競馬検討委員会(吉原龍介委員長)は29日夜、福山競馬の現場関係者代表を交えた会合を市役所で開き、競馬事業を廃止の方向で羽田皓市長に答申する方針を伝えた。現場サイドからは事業存続のためなら賞金、手当のさらなる減額を受け入れるといった覚悟の声が相次いだ。

 会合には、広島県調騎会や県厩務員(きゅうむいん)会など8団体でつくる福山競馬関係団体連合会の代表8人が訪れ、現場の実情や検討委の方針決定に対する考えを述べた。

 県調騎会の黒川幹生理事(55)は、収支均衡のため昨年秋以降、賞典奨励費を年1億1千万円圧縮したことを踏まえ「さらなる痛みを伴っても構わない」と強調。福山競馬従事員親睦会(しんぼくかい)の勝山芳子会長(53)は「会員104人の平均年齢は53歳。次の職を探すのは無理」と訴えた。他の委員からは市の経営責任を問う意見も出た。

 終了後、吉原委員長は「現場の実態はよく分かった。配慮した上で近く答申の骨子のたたき台を作るが、廃止を起点とする方向性は変えない」と述べた。(中国新聞)

【写真説明】検討委員(手前)に福山競馬の存続への思いを訴える現場関係者(撮影・増田智彦)