荒尾市議会の一般質問が12日あり、前畑淳治市長が12月限りでの廃止方針を表明した競馬事業に質疑が集中した。3市議が競馬関係者の再就職に向け早急な対応を求めたり、競馬場跡地の活用策をただしたりしたが、廃止方針自体に反対の声は出なかった。
市議らは廃止方針について「予想はしていたが、あっけない幕切れとなり残念だ」「市民からの不要論を払拭(ふっしょく)できない状況だと思う」などと述べ、廃止を前提に今後の展望を問うた。市は跡地活用策や事業の清算費用について「今のところ具体的には言えない」と答えた。
前畑市長は「跡地利用は県などと協議しながら、市民の要望も聞きたい」と述べた。競馬場の敷地約26ヘクタールの約9ヘクタールを占める民有地に触れ「借地契約を更新しない場合、原状回復した上で返すもの」と述べ、地権者住民との調整が必要になるとの考えを示した。
清算費用の質問に、市は「試算できていない」と答えたが、財源として財政調整基金の投入のほか「国が13年度までの時限措置で認めた地方債の三セク債(第三セクター等改革推進債)も使える」との見通しを示した。
市は清算費用の県負担を求める市議の意見に対し「蒲島(郁夫)知事が明確に否定している。これを県と議論するより、離職者対策や地域振興での支援を求めていきたい」と述べた。(毎日新聞)