2011年11月17日木曜日

福山競馬 上半期6537万円黒字

事業継続、収支均衡がカギ
 福山市は、16日の市議会競馬事業特別委員会で、存廃が問題になっている市営競馬の2011年度上半期(4~9月)の収支が6537万円の黒字になったと報告した。下半期(10月~12年3月)を合わせた1年間でも、当初予算以上の売上高となる見通し。ただ、12年度も事業を継続するかどうかは、年明けにかけて本格化する12年度予算の編成作業で、収支均衡を見込めるかが焦点となる。(石原敦之)

 市によると、4242万円の黒字だった第1四半期(4~6月)に続き、第2四半期(7~9月)も2295万円の黒字となった。4月以降に賞金など賞典奨励費を10年度当初に比べて約6%削減したことに加え、インターネットでの馬券販売が前年上半期に比べて約2倍に増えたことなどが要因という。

 委員会で、佐藤彰三・財政局長は、「年度を通じて売上高も予算を上回る見通しで、明るいことだ」と述べたが、12年度の事業存続については、「今後の運営状況や予算編成作業を見極めて判断する」とした。

 12年度の存続について市側が慎重な姿勢をとる背景には、第2四半期の売上高が前年同期より悪化していることがある。入場客数も、上半期は前年同期比16・4%減と減少が続いている。

 さらに、競馬場では施設老朽化が進んでいるが、大型映像装置を更新するだけでも5億円以上が必要で、改修も難しい。馬主は、廃止される可能性がある中で新馬を購入するのをためらうため、開催が可能なだけの競走馬の頭数を維持することが課題となる。

 福山競馬関係団体連合会の徳本慶一会長(54)は「上半期の黒字は、東日本大震災の影響でネット販売が好調だった結果で、ほっとしたというよりこれからが心配。市は早く継続の方針を示し、12年度に向けて頑張れる態勢を整えてほしい」と話していた。(読売新聞)