◇生き残りへ ナイター、交流レースも
生き残りをかけ、経費削減やナイター開催を打ち出してきた高知競馬(高知市長浜宮田)。県は6日、県議会産業経済委員会で、今年度(9月26日まで)の運営状況から年間約2600万円の黒字となる見通しを報告した。しかし、本場発売所の売り上げ減など課題は山積。集客数アップへの対策を迫られている。
県競馬対策課によると、1日当たりの平均入場者数は、今年度666人。「夜さ恋ナイター」が始まった昨年7月以降、1日当たりの売り上げなどに順調な伸びが見られたが、昨年度の平均入場者数814人を下回っている(08年度959人)。自場開催96日のうち92日がナイターで、比較的多かった昼間の利用者が来なくなったことも影響しているとみられる。
一方、急増しているのがインターネット・電話投票だ。売り上げのうち、ネット・電話が2割、本場(パルス高知など場外販売所含む)が7割だった08年度に対し、今年度はネット・電話6割、本場3割。ネット・電話の場合、委託先2社への委託料(売り上げの11~13%)がかかり、「収益は伸びた見かけほど良くない」(同課)という。
競走馬の確保も急務となっている。07年度に累積赤字を出したことを受け、県は08年度、2億5000万円の経費を削減した。出走手当も1割カットの2万7000円とし、賞金も減額したことなどから出走馬数が激減。今年のレース数は10レースと昨年度から1減し、5頭だて、6頭だてが頻発した。厳しい経営が予想される中、今年7月、県は出走手当を今年3万2700円に増額した。
削りに削った結果黒字となったものの「この状況が続くとしんどい」と同課。全国唯一ナイターを通年開催することから冬場の売り上げ増が期待され、今後も正月開催でのイベントやJRA(日本中央競馬会)との交流競走「黒船賞」などを予定する。西岡幸生課長は「競馬場で見るのが競馬のだいご味。にぎわえば騎手らの励みにもなる」と話す。(毎日新聞)