人気低迷と売り上げの減少で経営難にある佐賀競馬(鳥栖市江島町)と荒尾競馬(熊本県荒尾市)が、10月末の開催日から定期的な交流レースを開始することで基本合意した。所属の競走馬が減っているため、「九州競馬」の連携で出走頭数を確保し生き残りを図る。
地方競馬では、南関東の4競馬場が増収策として交流レースを続けているが、経営難から連携するのは初めて。地方競馬全国協会(東京)は今回の交流レースにかかる馬の輸送費相当分を補助金で支援する。
佐賀競馬は9月末現在、515頭の競走馬を持つが、ピーク時の約700頭からすると3割減。荒尾は291頭で、ともに出走馬が似たような顔ぶれになって、レースの魅力が薄れる原因にもなっている。
交流レースは29日の荒尾、30日の佐賀で1レースずつ実施。11月以降来年の3月まで合計25レースを予定している。通常より短い千メートル未満の「スーパースプリントシリーズ」と銘打って実施。トップスピードの迫力あるレースを演出する。
荒尾は約14億円の累積赤字を抱え、出走手当の削減などで経営の立て直しを模索中。佐賀は昨年度約6800万円の赤字になり、本年度予算から繰り上げ充当をした。累積赤字には陥っていないものの、本年度も売り上げ、入場者数が減少している。
佐賀競馬組合は「これまで荒尾と交流できる状況にありながら実施してこなかった。コスト削減と資源の共有効果を狙う」と話し、荒尾競馬組合は「新たな視点のレースがファンに受け入れてもらえれば、全国発売の売り上げ増につながる」と期待する。 (佐賀新聞)