県競馬組合(管理者・達増知事)の正副管理者会議は21日、県庁で開かれ、震災で大きな被害が出た水沢競馬場などの施設復旧費として地方競馬全国協会(地全協)から9割の補助を受けるめどが立ったことが報告された。ただ、開催日数の減少などで大幅な減収は避けられず、5月14日開幕の判断は先送りした。同組合は収支計画の見直し作業を進めており、近く再度会議を開き、月内に今季の開催を最終判断する方針だ。
達増知事、副管理者の谷藤裕明盛岡市長、小沢昌記奥州市長らが出席。組合側から震災被害が10億8700万円に上ることや地全協から復旧支援の内諾を得ていることが報告された。
地全協は阪神大震災の際に被災競馬に9割を補助しており、同様の支援を受けられる見通し。日本中央競馬会(JRA)からも競馬開催について支援の申し出があるという。
会議では、両市長が開催による雇用維持や経済効果などを主張。達増知事は競馬存続の条件となる「収支均衡ルール」を踏まえ「各方面との調整の結果を見て結論を出したい」と述べたという。
組合は存続に向けて運営費の削減や関係企業・団体などとの経費の見直し作業を行っている。
ただ、今季は当初予定(124日間)の4分の3程度の90日間の開催を見込んでおり、売り上げの大幅減は確実。例年売り上げが多い年末年始の開催がないほか、震災による消費減退でさらに落ち込む可能性もあり状況は厳しい。
会議終了後、谷藤市長は「岩手競馬だけでなく日本の競馬全体に関わる大きな話で国の支援が必要だ」と主張。小沢市長は「ぜひ開催する方向でという話をした。できるだけ速やかに結論を出してほしい」と訴えた。(岩手日報)