県競馬組合(管理者・達増知事)は本年度の岩手競馬について、当初見込んだ開催日数(124日)の4分の3に当たる90日に削減する見通しだ。東日本大震災で施設が大きな被害を受けた水沢競馬場での開催は当面見送り、盛岡競馬場で5月14日から開催する。大幅な減収は避けられず、岩手競馬存続の大前提となる収支均衡に大きな影響を与えるのは必至だ。
18日に奥州市役所で行われた市議会競馬事業調査特別委で、粟野金見・市競馬対策室長が報告した。それによると、本年度は12月5日まで開催予定。前年度より34日間削減される。
震災で被害を受けた施設全体の概算復旧費は10億8695万円で、うち水沢競馬場は4億325万円。復旧費の大部分は地方競馬全国協会の助成を前提にしている。
スタンドの復旧などに時間を要するため当面、水沢競馬場での開催は休止。ただ、復旧状況をみて年度後半の開催を検討しているほか、場外馬券場は5月の開幕に間に合うよう復旧を急ぐ方針だ。被災した宮古場外も復旧させるが、全壊した釜石場外は廃止する。
震災の影響に日数減が加わり、現状での収支均衡は困難な見通し。同対策室によると、前年度は水沢競馬場で開幕から5月10日までに約27億6千万円の売り上げがあり、本年度は大幅な減収が予想される。
同組合は現在、広域販売手数料の見直しや運営費削減などで関係者と調整を進め、収支均衡の可能性を探っている。今週、盛岡市で開催する正副管理者会議で引き続き対応を協議する。(岩手日報)